幼少期に我々の胃に移り棲み、長い年月をかけ胃を蝕むピロリ菌。特に75歳以上は感染率が高く、高齢者の胃がん対策は必須なのだ。老年科専門医で名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授が説く胃がん撃退法の決定版。(初出:「週刊文春 電子版」2025年10月16日配信)

まずはピロリ菌の検査と除菌

 胃がんから身を守る初手にして最善手は、(1)ピロリ菌の検査と除菌だと下方教授が強調する。

「高齢者はとにかく胃の中にピロリ菌がいないか検査してください。また、若い世代でも、幼少期に世話をしてくれた祖父母や父母などに胃がんや胃炎患者がいる場合は、必ず検査を受けること。ピロリ菌は経口感染しますので、食べ物を口移しで食べさせたりすることでもうつるからです」

経口感染のリスクもあるピロリ菌 ©fotoco

ピロリ菌除菌とは

 ピロリ菌検査は胃カメラで胃の組織を採取するものと、血液検査の2種類に大別されるという。

ADVERTISEMENT

「費用は胃カメラ検査が自費診療で約1万〜2万円、血液検査が3000円前後ですが、健診や人間ドックのオプションの胃カメラやABC検査で『ピロリ菌陽性』や『慢性胃炎などの疑いあり』と診断されれば保険適用となり、自己負担は1〜3割で済みます。検査の結果、ピロリ菌がいたら除菌をしましょう」

 ピロリ菌除菌とはどのような治療法なのだろうか。

2013年に保険適用となった慢性胃炎に対するピロリ菌除菌治療は、胃がん罹患者や死亡者の減少に大きく寄与しています。一般的な治療法では、抗生物質を2種類と胃酸抑制薬を1種類、1週間服用します。除菌後、2カ月程度の間隔を置き、呼気による検査などで除菌が成功したかの確認を取る。除菌しきれていなかったら、再び抗生物質を服用しピロリ菌検査を行います」

 ピロリ菌の除菌と同じく欠かせないのは、(2)胃がん検診を定期的に受けることだという。

この続きでは、●飲んではいけない胃薬は? ●いちご、キャベツで胃の粘膜を守る などのトピックを下方先生の解説とともに取り上げている。記事の全文は「週刊文春 電子版」で読むことができる。また、本連載をまとめた書籍『90歳まで健康長寿』も好評発売中》

この記事の詳細は「週刊文春電子版」でお読みいただけます
《男性のがん死因3位》胃がん撃退6カ条|90歳まで健康長寿(32)

《男性のがん死因3位》胃がん撃退6カ条|90歳まで健康長寿(32)

最初から記事を読む 【高血圧】ガイドライン改訂で治療方針変化も、老年科専門医・下方浩史教授が指摘「降圧目標が後期高齢者にとっては厳しすぎる」