国内女子ツアー通算14勝、何度も賞金女王争いを繰り広げ生涯獲得賞金は約6億8800万円にのぼる有村智恵(38)。しかし女性プロゴルファーにとって、自身の収入が全国に知られている状況が結婚の妨げになることも多い。

「男性に食べさせてもらうという感覚が元々なかった」という幼少期から、プロになった瞬間の「自分が大黒柱になる」という決断、そして現在の夫との不思議な出会いについて話を聞いた。

いまは2児の母の有村智恵さん ©文藝春秋 撮影・石川啓次

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――プロゴルファーはアスリートの中でも収入が外から見えやすい職業ですが、気を使うことも多かったんじゃないですか。

有村智恵(以下、有村) 私はプロになったのが10代でしたし、友達と金銭感覚のズレを感じることは多かったですね。一緒に食事に行っても、私がゴルフで稼いでることをみんな知ってるので多めに出したほうがいいのかなって思ったり。

――お店選びなども難しいですよね。

有村 スポンサーさんやゴルフの先輩にいいお店を教えてもらっても、「1人8000円だと友達と行くにはちょっと高いかな…」とためらったり、それでも行きたい時は「私が出すからついてきて」と誘ったり。しかも相手が男性だとなおさら難しいですよね。

「収入の高い女性に対する男性の反応って2パターンあって…」

――プライド的なことですか?

有村 収入の高い女性に対する男性の反応って2パターンあって、大体は「張り合う」か「甘える」のどっちかになっちゃうことが多いんです。私の場合はプライドが高くて張り合ってきたり劣等感を持つタイプとはうまくいかなくて、だいたい私が出す側でした。でもだんだん、ヒモまでは言わないけど「そっちが出して当たり前」という空気になってくると私もイヤになっちゃって。

 

――わかる気がします。

有村 かと言って相手のお財布事情に合わせてご飯や旅行を我慢するのも楽しくないし、だから20代前半の恋愛は難しかったですね。若い選手と話していても「私たちの金銭感覚が一般の同世代とズレてることは自覚しないといけないし、何かを妥協しないと難しいよね」って言いますし。

――20代で億を稼ぐ人はほとんどいないですよね。

有村 だからスポンサーさん経由で知り合った経営者の方とか、ちょっと年上の男性と付き合う女子選手の気持ちはよくわかります。金銭感覚が近いとやっぱり楽だし、スケジュールも不定期なので同世代で会社で働いてる男性とは出会う機会も少ないんですよね。