――ずるい、と思ってしまいそうです。

有村 「もし人間も卵で産めたらどんなにいいだろう」って毎日思ってましたね。そうしたら温めるのは別の人でもできるから。夫に話すと「わかるよ」と共感してくれるんですけど、それで解決するわけでもない。あの時期は自分の中に解決できない感情が渦巻いてました。

――それは初めて体験する感情でしたか?

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有村 それまでのゴルファー人生でも、他の選手に対して嫉妬のような感情を持つこともあったんですけど、そういうのは最終的に「自分がゴルフを頑張るしかないか」という結論にたどりつくんです。でも何を頑張っても、どちらを選んでもモヤモヤが残る、答えが全く出ないモヤモヤは初めてでした。あれは女性アスリート特有の感情だと思います。

――結果的には休養発表から1年半ほどで双子のお子さんが生まれましたが、どんな気持ちになりましたか。

有村 妊娠中はとにかく不安が大きかったので、無事に2人生まれてきてくれた瞬間は、嬉しさよりも安堵感が大きかったですね。双子ですしもちろん育児は大変ですけど、妊活中にずっと最悪の想像で頭がいっぱいだったことを考えれば何でもないです。

「『1人が育児をやる』という選択肢はなくて…」

――出産から約1年でツアーに復帰しましたが、体調的にはどうでしたか?

 

有村 妊娠中に20キロ増えた体重を支えてたからか、意外と足腰はそこまで弱ってなかったですね。ただ抱っこの影響で首や肩がすごく固まるので、スイングした時に肩が回りづらくて、それを戻すのは大変でした。

――子どもと一緒にいたい気持ちと、早く復帰したい気持ちのバランスはどう取っていたんでしょう。

有村 どうしてもゴルフを優先することはありましたね。双子ですし夫も働いているので「1人が育児をやる」という選択肢はなくて、私の母や姉妹にサポートしてもらってどうにか回しています。

――具体的にはどんな体制なんでしょうか?

有村  姉や妹は近くに住んでいますし、私が集中して仕事や練習に行くときは母も熊本から来てくれます。私がプロになった瞬間から、有村家の方針は「智恵は他のことは何もしなくていいからゴルフで稼いで家族を養って」というものでした。結婚するまでは家事や書類仕事も家族がやってくれていて、それが子育てに変わった、みたいな。