――キム・ギョンチャン(『1987、ある闘いの真実』)さんと共同で脚本も書かれていますが、ゴルフ場での政治家に対するロビー活動という独特の題材を脚本に落とし込む上での難しさを教えてください。
ハ・ジョンウ ゴルフ場という、”だだっ広いんだけれども閉鎖的な場所”で、政治家や財界人たちに対しての交渉ごとが行われるわけです。難しかったのは、多彩な人物が登場する中で、それぞれの行動の理由に正当性を持たせ、同時に彼らの関係性をしっかりと描かないといけないところ。シナリオを書く上で、ここがとても大変でしたね。
「ゴルフと食事がセット」は欧米にはない文化
――なるほど。日本では、接待ゴルフというのがものすごくポピュラーなので、映画を観ていて、韓国も似ているなと思いました。
ハ・ジョンウ そうですね。日本のゴルフ文化、そして日本のゴルフ場の文化というものが韓国に伝わってきたからだと思います。私は日本でもゴルフをした経験がありますが、多くの面で韓国とよく似ていると思いました。日本でゴルフをしていても、全く違和感がなかった。そして韓国人も実はシャイな面がありますし、同じ東洋人として日本の方たちもシャイですよね。ところが、ゴルフ場という閉鎖した空間の中で、ある瞬間その牙を剥くような、欲望をさらけ出すような場面がある。それがとても興味深いと思ったんです。
――なるほど。確かに、おとなしい人が突然変わる時がありますね。
ハ・ジョンウ さらにアメリカやヨーロッパのゴルフには、食事の文化がないんです。純粋にゴルフだけをして食事は一緒にしないから、もう限りなくスポーツという概念に近いと思いますが、日本と韓国では常にゴルフは食事とセットになっている。始まる前に朝ごはんを一緒に食べて始めるとか、または集まってゴルフをしてお昼を食べるとか、夕飯を食べるとか、そういう風にゴルフには必ず食事の場があるので、もしかしたらプレー以上に、この食事の場というのが重要な側面があるのではないでしょうか。だから様々なロビー活動が行われることになるのだと思いますし、ゴルフ場で1日を過ごす中でいろんなストーリーが生まれてくるのではないかと思います。


