天皇陛下は、2月23日に66歳の誕生日を迎えられた。折しも2月27日には高市早苗首相が衆院予算委員会で、安定的な皇位継承について答弁を行い波紋が広がった。陛下は「愛子さまの今後」について何を語られたのか。名古屋大学大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が、天皇陛下の誕生日に際した記者会見について振り返る。
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2月23日の誕生日にあたって、天皇の会見が行われた。1年に1度、その思いを聞くことができる機会だけに、貴重な場である。2026年の今年は、公務に取り組む愛子内親王の成長ぶりと期待感をにじませた会見だったように思われる。
目立つ愛子さまのご活躍
昨年2025年は、愛子内親王の活躍が目立った。6月、天皇・皇后はアジア・太平洋戦争の地上戦から80年目の節目を迎えた沖縄県を訪問した。その際、長女である愛子内親王も同行した。静養や美術館・コンサートなど、私的なものでは3人が一緒になってそれぞれの場所を訪問してきた。しかし、この沖縄県のような公的訪問を3人ですることは非常に稀なケースであった。これまで沖縄県を訪問したことがなかった愛子内親王の強い希望だと報じられている。
沖縄県は皇室にとってとても大きな意味を持つ場所で、上皇・上皇后は昭和から平成にかけて、合計11回も沖縄県を訪問した。沖縄戦で亡くなった人々の慰霊とともに、遺族などとも面会を重ねるなど、「慰霊の旅」を通じて、沖縄の歴史に向き合ってきた。さらに、沖縄から本土を訪れて記者の仕事を体験する「豆記者」との懇談の席には、浩宮(現在の天皇)なども同席させていた。沖縄の人々と交流することで、沖縄の抱える問題を理解し、次の世代に継承したのだろうと思われる。
「豆記者」との交流はその後、平成の時代は現在の天皇・皇后が、皇太子夫妻として交流し、2004年には皇太子は当時2歳だった愛子内親王も同席させた。小さなころから沖縄の存在を理解して欲しいという思いだったと思われる。
愛子さまが沖縄県、長崎県を訪問された深い理由
天皇は近年、戦争の記憶を次世代に継承するということを強調するようになっており、2025年の誕生日会見では、「戦争の記憶が薄れようとしている今日、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や歴史が伝えられていくことが大切であると考えております。戦中・戦後の苦難を体験した方々が高齢となり、当時のことを語り継いでいくことが難しくなっている中、国内各地で若い人たちが戦争を知ろうとし、次の世代の語り部として育ち、戦中・戦後の苦労を語り継ぐ活動が進められていることは、戦後80年を迎える今日、一層意義深いものとなっていると思います」と述べている。
