一気通貫で搬送システムを受注
同社の設立は1937年。当初は製鉄の加工に使用する鍛圧機械の製造・販売を手がけていた。1938年に日本通運からクレーンを受注したのをきっかけに荷役運搬機械の製造を開始。1959年にはトヨタ自動車の工場向けにベルトコンベヤーシステムを開発・納入してマテハンビジネスに参入し、1966年には松下電器(現・パナソニック)に日本初の無人倉庫システムを納入した。
1978年には同社として初めてのハンガーレールシステムをレナウンの商品センターに納入した。ハンガーレールシステムとは商品をハンガーにつるし、そのまま保管、搬送、仕分け、店頭陳列するシステムのこと。全長2200メートルで、当時のアパレル業界では最大級の物流システムだった。
世界初、ワイヤレスのモノレール搬送システムを開発
1993年には世界で初めてワイヤレスのモノレール搬送システム「ラムランHID」を開発し、トヨタグループの関東自動車工業(現・トヨタ自動車東日本)に納入した。摩耗による粉塵などが発生しないこのシステムは、後に半導体向けクリーンルーム内の搬送にも使用される。
半導体の製造工程数は約1000もあるため、効率的に製造するには仕掛品のウエハーを各工程の装置に予定の時間通りに運ばなければならない。搬送中に粉塵などの異物が少しでも混入すれば即座に不良品になってしまう。
同社はウエハー同士が接触しないように搬送する技術や、ウエハーの加工面が腐食するのを防止するため保管中に窒素を充填するなどの技術を有する。
ダイフクは今後も半導体工場向けに売上を伸ばしていくだろう。以前は半導体の需給動向に波があり、半導体向け設備投資にも波があった。しかし、生成AIやデータセンター、自動車向けなどで半導体需要は高まるばかり。半導体関連企業の設備投資も増加して、ダイフクのビジネスも拡大する。
ダイフクの強みは、搬送システム全体の開発・設計から機器の製造、設置工事、メンテナンスまで自社で一気通貫できること。搬送用コンベヤーや無人配送車、ピッキングロボット、自動倉庫などを自社で生産して、顧客の要望に合わせてシステム化し納入する。機器を内製化しているので価格も抑えられる。
海外ではメンテナンスは別の企業が手がけるケースが多いが、ダイフクは自社で行う。このようなことができるマテハン企業はほとんどない。