実はカニカマの生産・消費量トップはヨーロッパ。そんな世界で愛されるカニカマを作る機械で、世界シェア7割を誇るのが山口県の企業「ヤナギヤ」だ。元々はかまぼこ屋だった同社が、いかにして世界一になったのか? そして、同社の技術は意外な形にも応用されて……。
4000社以上の企業を取材してきた著者が、小規模なマーケットで圧倒的な世界シェアを誇る50の企業を大解剖した『世界シェアNo.1のすごい日本企業』(田宮寛之著、プレジデント社)より、一部を抜粋して紹介する。
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戦後日本で「食品の三大発明」と言えば、インスタントラーメン、レトルトカレー、カニカマだ。カニカマとは、見た目はカニだが中身はかまぼこという人気食品。このカニカマは日本国内だけでなく、世界的な人気商品なのだ。
カニカマを世界で一番初めに開発したのは、石川県の水産練り物メーカー・スギヨ。1972年、カニ風味かまぼこ「かにあし」を発売し、瞬く間に大ヒット商品となった。スギヨは国内だけにとどまらず、1976年には米国でも販売を開始。ヘルシー志向とシーフードブームに乗ってカニカマは米国でも人気商品になった。
そのスギヨの調査では世界のカニカマ生産量は約50万トン(2021年)で、そのうち日本は7万トンに過ぎず、大半は海外で生産されている。
生産量第1位はリトアニアで、近海で多く獲れるスケトウダラを原料として生産し、欧州へ輸出している。消費量の1位はフランス、2位はスペインで、日本は3位。カニカマは日本生まれだが、生産も消費もヨーロッパがトップなのだ。フランスやスペインでは「SURIMI(すり身)」の名称で人気を集めている。
カニカマ装置で世界シェア7割
フランスでは、サラダやパスタ、サンドイッチなどあらゆる料理に使用されているし、スペインではカニカマアヒージョ(オリーブオイルとにんにくで食材を煮込んだ料理)が定番料理となっている。また、アメリカではカリフォルニアロールの具材に、中国では火鍋の具材に用いられるなど、現地の食生活になじんでいる。
山口県に本社を置くヤナギヤは、このカニカマをつくる装置で世界シェア7割を誇る。
