半導体の性能向上にも…

 ダイフクは2024年5月、米インテル日本法人など国内15の企業・団体によって設立された「半導体後工程自動化・標準化技術研究組合」(SATAS)に参画したと発表した。

 半導体の性能を向上させるためには、前工程で半導体の電子回路の線幅を狭くして、よりたくさんの回路を描き込む必要がある。半導体の歴史は線幅を狭める歴史であったが、線幅は限界に近づきつつある。

 これからさらに高性能な半導体を製造するには、後工程を改善するしかない。SATASは2028年までに後工程を見直し、自動化と標準化を達成することを目指す。

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 参画しているのは、三菱総研を除けば半導体業界を代表する半導体メーカーや半導体製造装置メーカーであり、マテハン関連企業はダイフクのみだ。後工程の改善という重要な場面でダイフクへの期待は大きい。

ダイフクの会社データ(『世界シェアNo.1のすごい日本企業』より)

社風が堅実な理由とは?

 これから半導体向け以外で期待できる分野は空港向けだろう。ダイフクは空港の手荷物搬送システムも手がける。手荷物を運搬するベルトコンベヤーや、X線と爆発物検査機器を組み合わせた危険物検知システムは米国内で数多くの導入実績がある。テロの危険性が高い米国ではとても重宝されている。コロナが沈静化し世界中で人々の移動が活発になっており、空港関連のビジネスは今後も成長が期待される。

 ダイフクはもともと、1970年代にマテハンのノウハウを活用してボウリングのピンをセットするマシンを製造していた。ボウリングマシンはコンベヤーと自動制御機器を組み合わせたもので、マテハンそのものだったのだ。

 大ブームのおかげで、一時はボウリングマシンの売上高が全体の7割を超えた。大いに潤ったのだが、ブームが去るとまったく売れなくなってしまった。この苦い経験からダイフクは、目先の利益を追わず、地道に顧客を開拓し、一歩一歩信頼を獲得すること大切にしている。

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