ソウタくんは、昼休みには1人で机に突っ伏して寝るふりをするしかなかった。かつて明るくモノマネを披露していた少年の面影は消えた。その精神的苦痛は、腹痛や頭痛、下痢、不眠といった身体症状として現れていた。

「担任の先生に何度も『孤立している』、『苦しんでいる』と文書や面談、電話などで訴えました。でも先生は、『本人が1人でいたいんだと思っていました』、『ほかの子は気のいい子ばかりだから、自分から頑張って入っていけばいい』と言うんです。仲間外れにされている子に向かって、それはなくないですか? 先生のその無関心が、イジメをさらに加速させたと思っています」(母親)

「ズボンを脱がされるのは言葉の暴力以上に精神的にキツかった」

 そして引きずり事件直後の7月には、ソウタくんを別のイジメ襲った。Aとは別の生徒Bが主導して、ソウタくんのズボンと下着を何度も引き下ろすようになったのだ。

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「ズボンを下ろすイジメが始まった理由は本当にわかりません。自分でも思い当たる節が全くありませんでした。ズボンを脱がされるのは言葉の暴力以上に精神的にキツかったです。それでも、最初は仕返しが怖くて先生に言うこともできませんでした」(ソウタくん)

 7月から始まったズボン下ろしは中1の間じゅう続いた。学年が上がりクラス替えでBと別のクラスになったが、むしろイジメの頻度は上がり、1年生の時は月に数回程度だったのが、週に2、3回の頻度で狙われるようになった。

 ソウタくんのズボンとパンツを同時に引き下ろす行為が頻発し、陰部を触られることもあった。そのたびに「本当に嫌だ」「先生に言うからな」と必死に訴えたがBは聞く耳を持つどころかソウタくんの反応を面白がって笑い、周囲の生徒も止めに入る気配はなかった。

Bによる「ズボン下ろし」についての母親のノート

 そして2023年4月28日には、同学年の生徒がグラウンドに集まっていた衆目の面前でズボンを完全に下ろされる決定的な事件が起きた。

 ソウタくんはそれまでに何度も自分のクラスの担任教師に相談していたが状況が改善していなかったこともあり、近くにいたBのクラス担任のもとに必死に駆け寄った。

 Bは教師に叱責され、10カ月続いたズボン下ろし行為はようやく収まった。しかし、苦難はこれで終わらなかった。

次の記事に続く 「口の中から血が出て止まらなくなり朦朧と…」名門・立命館守山中学でいじめのターゲットにされた中1男子が受けた苛烈な暴力の一部始終