被災者の財産を狙う「火事場泥棒」
『警察白書1995年版』によると「被災地域においては、人命救助や交通規制に大量の人員が必要となり、警察力が手薄になることから、震災に便乗した火事場泥棒等の犯罪の多発が懸念された」とあります。当時も、震災直後の1月18日から、多くの警察官が被災地の後方治安活動のために兵庫県に派遣され2交替制で犯罪の検挙、警戒にあたりました。そのおかげもあり白書には「全体としては例年に比較して平穏に推移した」とあります。
一方、東日本大震災における被災者は、自宅の損壊等の被害に加え、窃盗被害にも苦しみました。流された貴重品の奪取や自販機荒らし、コンビニや商店のガラスを割っての食料品窃盗、避難所不在の民家からの現金・貴金属の盗難、壊れた車からのガソリン抜き取りなどが相次ぎました。こうした被害を受け、警察や消防団は、不審者への声かけや車両の身分証確認を行い、防止に努めました。
河北新報によると、東日本大震災後26日間で窃盗被害は約290件、総額1億円に上ったとあります。また、震災直後は、偽ブランド品をチャリティーと偽って販売する便乗商法も摘発されました。
熊本地震では「大金を得るチャンス」と考えた会社員らによる火事場泥棒が発生。能登半島地震でも、全壊住宅からエアコンやタイヤが盗まれ、報告書には空き巣や避難所での置き引きなど43件が確認されたとあります。さらにリフォーム詐欺や義援金を装う不審電話・訪問などの便乗詐欺も報告され、国民生活センターが警戒をよびかけるに至りました。
阪神淡路大震災に比べて、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震では、火事場泥棒や震災後の詐欺などの報道が多いように見られます。
これは、一概には言えませんが、阪神淡路大震災の時は、行政よりも早く山口組が救援活動をおこなったことが影響しているのかもしれません。
