「犯罪で得た金ではないか」

 大地震の直後、もし差し出された支援の送り主がヤクザだったら、あなたは受け取るだろうか?

 阪神・淡路から東日本、熊本へ。災害のたびに語られてきた“裏社会の支援”の光と影を、ノンフィクション作家で社会学者の廣末登氏の新刊『ヤクザが消えた裏社会』(筑摩書房)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む

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あなたならどうする? 写真はイメージ ©getty

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ヤクザと震災

 NPO五仁會の代表を務める竹垣悟氏は次のように述べています。

 たとえば大災害が起これば、街のやくざは必ず真っ先に支援活動に走っていたものだ。

 とくに1995年の阪神・淡路大震災のときは、山口組本家の地元で起こった大災害ということもあり、五代目山口組・渡邉芳則組長が直接指示して、多くの組員が炊き出しなどの救援活動に奔走した。傘下のテキヤたちが屋台でつくる焼きそばなどは大好評で、長蛇の列ができた。

 当時、中野太郎率いる中野会に在籍していた私は組員らと漁船をチャーターしてミネラルウォーターを大量に積み込んで運び、避難所などに届けた。そこで私たちは被災されたみなさんが喜んでくれる姿を目のあたりにし、私たちの活動で神戸市民は助けられたと実感したのである(文春オンライン 2025年2月16日)

 また、筆者のインタビューに対し山口組の顧問弁護士を務めていた山之内幸夫氏に、震災時の山口組と被災した近隣の人たちの状況を回想してもらいました。