吉本若手芸人による123篇の回答を編んだ『火星人の殺し方』をNSC同期の横澤夏子とおかずクラブ・オカリナが語ります! 突然の「大喜利」に挑戦したからこそ語れる「松本人志」、そして知られざる「大喜利が得意なあの芸人」とは?

おかずクラブ・オカリナ(左)と横澤夏子はNSC同期生!

松本さんは遠い存在で、お目にかかるのも怖かった

横澤 ある日突然、吉本の若手にメールが来たんだよね。よく番組の前に書くアンケートみたいな感じだけど、3つのお題があって、松本さんの名前があって、締切日もあって。吉本から来るメールとは思えないほどきっちりした文章で(笑)、これは絶対返さなくちゃいけないやつだと思った。

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オカリナ 「火星人の殺し方」? 「ゴリラへの詫び状」? 「なぜ日本人はうんこが好きなのか」? 何これ? って。

横澤 はっきり「大喜利」と書いてあったわけでもないから、何をどれくらい書けばいいのか、何が正解なのか、分からなかったよね。

オカリナ 笑いにしていいのかさえ分からなかった。しょうがないから私は笑いとか考えずに思いついたことをそのまま返したけど。

 

横澤 その頃は松本さんは遠い存在で、お目にかかるのも怖かったから、ほんと緊張した!

オカリナ まだほとんど喋ったことがなかったし、NSC(吉本興業の芸人養成スクール)には松本さんを神のように崇めている同期もいたから。

横澤 そうそう。でも書いたものを読んでいただければ嬉しいと思う反面、下手なものを書いて「こいつおもろないわ」と思われたらどうしよう、とか思って(笑)。ほんとの松本さんはそんなこと言わないんですけどね。

火星人の前に無防備に立ち尽くしているオカリナ

オカリナ 「面白いこと言わん奴帰れや」みたいなカリスマイメージをこちらが勝手に持っていたんです……すみません。その後、実際はお優しい方だと分かりました。

横澤 ちょうどその時、私の携帯が壊れて、締め切りが分からなくなってすごく焦ったの。慌てて携帯ショップに駆け込んで、「やばい遅れる!」ってその場で回答を書いた覚えがある(笑)。それがこうして本になるとは思っていなかったので、すごく嬉しい。オカリナ、いちばん最初に載ってるよ。

 

オカリナ ほんとだ。私何書いたんだっけ。

〔火星人の殺し方――オカリナの回答〕
《まず無防備に立ち尽くします。初めて見る地球人に火星人は興味を持ち近づいてくることでしょう。こちらも初めて見る火星人に怯えますがギュッと押し殺しどこを見るとなくボーッとした目で立ち尽くします。動かない地球人に油断して火星人が十分な間合いに入ってきた所で掌底を思い切り入れましょう。いきなり動き出したこちらに火星人がびっくりしてる間に腕を逆さに回しちぎります。そして目を潰します。そこまでできれば火星人も抵抗出来なくなるのでその後は好きな形で止めをさしてください。》

横澤 これ、なんて読むの?

オカリナ しょうてい。てのひらのここ突き出してガンッてやる。

横澤 面白い~。名前があるとオカリナが「火星人の前に無防備に立ち尽くしている」のが目に浮かぶ(笑)。