菅野が戸郷に伝授した「エースの条件」
菅野投手にはちょくちょくLINEをしていましたが、ファームにいた4月末、菅野投手に国際電話をかけ、1時間ぐらい話させていただきました。あとを託した僕に対して菅野投手が言いたいこともあったでしょうし、僕もメジャーでの菅野投手のピッチングを観て、聞きたいことはありました。
プロ入り後の6年間、陰となり日向となり僕にアドバイスをくれた先輩投手であり、それ以上に人として尊敬する菅野投手の言葉は僕の胸に刺さりました。
「俺もたくさん悩んできたし、どんなピッチャーでも悩みは来る。これまで順風満帆に歩んできた翔征の悩みというのはまだ小さな悩みだと思う。翔征はまだ若い。悩むことも必要なんだ。でも、やらないといけない立場のピッチャーだから、苦しいのは当たり前だ。結果が出ずとも、自分がやってきたことを信じてやっていくんだ。逆境にあって、慰めてくれる人よりも、むしろ厳しいことを言ってくれる人の言葉を大切にしなさい」
険しいところも含めて自分も通ってきた道だ。「エースへの階段」を一歩一歩登っていくんだよということを伝えてくれたと思うのです。菅野さんの貴重なアドバイス通り、こんな逆境を体験できたことで、必ずや今後の僕の野球人生にとってプラスになると信じています。
それにしても35歳ではじめてメジャーに渡った菅野投手のすごさを再認識しました。最初は「ストライク勝負ばかりで日米の野球の違いを感じた」そうですが、絶妙なコントロール(9イニング平均与四球2・06個)、「左バッターへの内角スライダー」の威力でいきなり10勝(10敗)をマークしたのです。
そういえば、メジャーの権威サイ・ヤング賞投手(20年、当時・レッズ)であるバウアー投手(DeNA)からもダイレクトメッセージをいただきました。
「君はそんな投手ではない。頭を上げて!」
バウアー投手とは23年のNPBオールスター・ゲームで会話したのが最初です。そんな実績ある投手まで僕のことを気にかけてくれていると思うと感激しました。言葉通り頭を上げて、こんなことでくじけてはダメだと勇気づけられました。
