いよいよWBCが開幕し、連覇をかけた侍ジャパンの戦いが始まった。ここでは前回WBCの優勝メンバーであり、初戦で大谷翔平からバトンを受け取ってマウンドに立った読売ジャイアンツ・戸郷翔征の著書『覚悟』(講談社)から一部抜粋。前回大会のハイライトともいえる「大谷翔平の雄叫び」の舞台裏や、戸郷が感じた大舞台ならではの空気感をお届けする。(全2回の1回目/続きを読む)
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「大谷のあと」に投げられたのは、貴重な経験
2023年WBC1次ラウンド。1試合目は3月9日の中国戦(東京ドーム)。日本は8対1の勝利を収めました。先発・大谷翔平投手が4回まで投げたあと、僕は5回から「第2先発」として登板。3イニングを2安打1四球7奪三振1失点でした。
中国000 001 000=1
日本100 200 14×=8
【中】●王翔、王唯一、孫海竜、蘇長竜、伊健、王宇宸―李寧
【日】○大谷翔平、戸郷翔征、湯浅京己、伊藤大海―甲斐拓也
本塁打=梁培1号ソロ(6回)、牧秀悟1号ソロ(7回)
6回表にソロホームランを打たれましたので、完璧かと言われたらそうではなかったです。しかし、日の丸を背負った最初の試合での出来とすれば、自分的には「まあ、ある程度よかったのかな」と及第点です。3イニング9個のアウトのうち、三振も7個取れました。
何より、あの大谷選手のあとに投げられる感動が大きかったのです。大会前に「第2先発」を、さらに中国戦の数日前に「第1戦の大谷選手のあと」を伝えられて驚きました。
大谷選手はメジャーで21年9勝、46ホームランの投打二刀流でMVP。22年は15勝、34ホームランを放ち、メジャーの大スターになっていました。その大谷選手のあとのマウンドを自分が踏める、引き継げるという実感と感動をかみしめました。

