『うっせぇわ』『新時代』『ギラギラ』など数々のヒット曲を生み出してきた人気アーティストのAdo。2025年のワールドツアーは、ヨーロッパや南米、アジアなど世界33都市を回り、のべ50万人の観客を動員した。

プロフィールもイラストのAdo

世界ツアーで学んだ欧米の音楽ビジネスモデルの本質

 そんなAdoの育ての親である音楽事務所「クラウドナイン」社長の千木良卓也氏が、世界ツアーで学んだ欧米の音楽ビジネスモデルの本質を明かした。クラウドナインは今年5月、米国で日本人アーティストによる音楽フェスティバル「Zipangu JAPANESE MUSIC EVENT 2026」を開催する。

千木良卓也氏 ©文藝春秋

 まず、欧米では日本とコンサートチケットの販売方法が大きく異なるため、日本人アーティストがいきなり欧米でツアーを行おうとしても難しいのだという。

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「これだけの大がかりな日程を組むことが出来たのは、Adoが前年に世界ツアーを行った実績があるからです。(中略)根本的に、日本と欧米ではライブ会場との契約がまるで違う。まず、日本では音楽事務所側が会場を押さえ、チケットを販売しますが、欧米では会場側がチケットを販売し、その収益からアーティスト側にギャラが支払われます。だから、会場側は実績があるアーティストにしか場所を貸してくれないのです」

2026年5月にロスで開催される「Zipangu(ジパング)」

 Adoは2024年のチケット完売率の高さから、徐々にキャパを大きくすることができたのだという。

「さらに欧米ではチケットは主にオークション制です。申込者数が多ければ会場側がそれに応じて、チケットをリセールして価格をつり上げていく。その仕組みも日本とは違います。だから欧米では何万円、何十万円といったプラチナチケットが生まれる。それがアーティストの評価でもあるわけです」