2/6ページ目
この記事を1ページ目から読む
自分が付き人をしている間に知らない人間が2人も高島家に雇われている。特に、自分より明らかに夫婦が信頼を置いている看護師Kに激しい嫉妬心を覚えた。
芸術座での公演終了後の8月28日から、高島夫妻はプライベートでアメリカ旅行に出かける予定だった。
Aは当然、自分も同行させてもらえるものと期待した。が、誘いはかからず、どころか、夫婦は看護師Kだけに「お土産をたくさん買ってくるから、道夫ちゃんを頼むね」と声をかけた。
ますますジェラシーを募らせたAに決定的なことが起きる。事件の数日前、風邪を引いた彼女に寿美さんが「うつると大変だから、道夫ちゃんには近づかないでね」と口にしたのだ。母親にしてみればごく当然の連絡事項だったが、Aは寿美さんの言葉を「私だけが軽んじられている。Kが奥さまに私を近づけないようにと吹き込んだに違いない」と思い込んだ。
殺害の日
事件当日の8月24日午前1時ごろ、入浴を終えて自室に戻ったAは、隣の部屋から聞こえてきた道夫ちゃんの泣き声が気になり様子を見に行く。
道夫ちゃんはぐずりながら自分の足を掴んできた。心から可愛いと思った。そこで、涼みがてら庭に出てあやしていたところ、道夫ちゃんの足が汚れてしまったため風呂場に連れていった。以前からKに抱いていた嫉妬心と憎悪がピークに達したのはこの瞬間である。