「安倍首相は最近周囲にこう語った」という「怖い話」
理不尽な話と言えばこちらをあげておこう。
「自民総裁選 首相、圧勝で3選狙う」(産経新聞 8月12日)
産経のこの記事によると、安倍首相は最近周囲にこう語ったという。
「6年前は谷垣禎一総裁(当時)の出馬断念があったが、今回はよーいドンで新しく総裁を選ぶのとは違う。現職がいるのに総裁選に出るというのは、現職に辞めろと迫るのと同じだ」
こ、怖い……。
しかしこれでは多様な政策論争ができなくなってしまう。
総裁選の意義については7月26日の日刊スポーツ「政界地獄耳」のコラムが次のように書いていた。
《総裁選を権力闘争の場でしかないと思っていないか。総裁選は党内の多様な政策や価値観、首相とは違うリーダーシップのあり方を示し、その人材が多様で豊富なこと、議論を尽くすスタイルに意味がある。次世代リーダーのお披露目でもある。》
まったくだ。地獄耳師匠の言う通り。
総裁選好きの私でも「おかしい」と感じる今回
私は子どもの頃から総裁選での権力闘争、えげつない話が好きだ。そこで垣間見える政治家の人間性や器を見るのが好きだ。ドロドロを眺めるのが好きだ。しかしそういう点を理解していると自負する私ですら、最近はちょっとおかしいと感じる。
そこにドロドロとした内幕があれど、以前はいろんな人が出馬して総裁選をおこなっていた。派閥の長でもなかった石原慎太郎や小泉純一郎も出馬できてにぎやかだったではないか。たとえ噛ませ犬だったとしても。
ところが最近はそもそも総裁選に「出るな」というのだ。
出馬しそうな人、応援しようとする人に圧力や脅迫電話をかけ、なきものにしようとする。総裁選の舞台にすら立てなくしようとする。
これで「自由」で「民主」と名乗っているのが一番怖い……。
以上、残暑を乗り切る怖い話でした。