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石破茂の当てこすりのようなスローガンに反論できない

 総裁選と言えばこんな怖い話もあった。

「石破氏に対抗意識 政治姿勢 焦点化を警戒」(毎日新聞 8月12日)

 これ、どんな話かと言えば、石破氏が10日の記者会見で「正直で公正な政治」を掲げたことに関して安倍首相サイドの反応についてである。

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 読みどころはここ。

《総裁選で首相の政治姿勢に焦点が当たれば、地方の党員を中心に首相への批判票が石破氏に流れかねないと首相サイドは警戒している。》

 ……じわじわと怖くなってきませんか?

©AFLO

 ライバル候補に「正直で公正な政治」をやると言われたら「こちらも正直で公正な政治をしている」と普通は言う。しかし首相サイドは「政治姿勢焦点化を警戒」なのだ。

 つまり石破茂の当てこすりのようなスローガンに反論できないのである。首相サイドは「正直でない、公正でない政治」を認めていることになる。すっごく怖い。

「辞退の仕方」まで叱られる理不尽な岸田文雄

 同じ毎日の記事ではこちらも注目。

「『岸田氏不十分』 麻生氏持論展開」(8月12日)

©AFLO

 麻生氏は総裁選への立候補を見送った岸田文雄政調会長について、

「安倍(晋三首相)にやってもらうのが国益に沿うから出馬しません。おれが岸田ならそう言って辞退する。この間の辞退の仕方は何だ、あれ。理解ができないよ。『話にならない』と(岸田氏に)面と向かって文句を言った」

 と批判したという。

 岸田氏からすれば、出馬をやめて安倍陣営について褒められるかと思ったら「辞退の仕方」まで叱られるのである。もうこうなると怖いというか理不尽である。