間瀬 急に意識がなくなって、全身にガチガチに力が入っているので意識が戻った時に体じゅうが痛いんです。最初は症状との付き合い方がわからなくて、一度電車を止めてしまったことがありました。少し違和感はあったんですけど、10分くらいなら大丈夫かなと思って乗ったら、途中で発作起きて倒れちゃったみたいで、目が覚めたら「救急車呼ぶ?」と電車の中で何人かに囲まれていました。

 心配して声をかけてくださっているのはわかるんですけど、自分が倒れた記憶もない状態で意識が戻った瞬間に知らない人に囲まれてるとパニックになっちゃうんですよね。それでしばらくは、電車に乗る直前に家族や友人に連絡するようにしてました。

——現在の症状はどうですか?

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間瀬 手術から6年経ちましたけど、今でも月に1~2回のペースでてんかんの発作と記憶障害があります。

 最近はてんかんの発作の予兆がわかるようになって、倒れても危なくない場所に座ったり頭を守ったりできるようになってきました。ただお風呂で発作が起きると溺れてしまうので、おへそのあたりまでしかお湯を張らないようにしてます。

「基本的に完治はしないものと思って欲しい」

——記憶障害というのはどんな感じなのでしょうか?

間瀬 たとえば、毎日通っている場所なのに家を出て途中で目的地がわからなくなることがあります。道の真ん中で立ち尽くしてしまって、知らない人に「僕はどこに行きたいかわかりますか?」と聞いたこともあります。

——知人に連絡したりすることはできるんですか?

間瀬 それが記憶障害が起きると、家族や親しい友人のこともわからなくなっちゃうことがあるんです。LINEを開いて名前を見てもわからないんですけど、最近は困ったときに連絡していい人が上の方に表示されるように固定してます。

——日常生活でも困りそうです。

 

間瀬 友人に会う時に記憶障害が起きると「久しぶり! いつぶりだっけ」とか言いながら相手の情報を引き出して覚えているフリをしたり、嘘をつくことも正直あります。

 厄介なのが日によっては覚えている部分と覚えていない部分が不規則で、説明するのが難しい。それで疎遠になってしまった人も多いです。

——こうやってお話ししていても、言われなければ記憶障害があるのはわからないです。

間瀬 そうなんですよね。今日の取材のことも忘れちゃうかもしれない。次に会ったときに「初めまして」と言ってしまったらごめんなさい。もちろん悪気はないんですが印象は良くないと思うので。

 先生には「基本的に完治はしないものと思って欲しい」と言われていますし、てんかんも記憶障害も見た目でわからないので誤解されることも多いんですよね……。

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