AV出演や海外での売春案件まで
スカウト――。スポーツ界や芸能界などで、有望な人材を発見する「目利き」の仕事を指すのが一般的だが、ここでは少し意味合いが違う。風俗店やキャバクラなど「夜職」と呼ばれるあらゆる仕事の斡旋を生業とする者を指す。
ナチュラルとは、端的にいえば闇の人材紹介業、あるいは裏の人材ブローカーともいうべき集団である。約2000人の構成員を擁し、北海道から沖縄まであらゆる歓楽街にルートを持つ。その収益源は「スカウトバック」と呼ばれる違法な紹介料だ。優秀なスカウトであれば月収300万円も夢ではない。近年はAV出演や海外での売春案件まで手掛け、年間収益は少なく見積もっても50億円に上る。
10年以上前から他のスカウトグループとは一線を画す存在と言われていたが、警察当局が総力を上げた摘発に乗り出すようになったのは、ここ3年くらいのこと。かつて住吉会傘下の暴力団と対立し、歌舞伎町で乱闘事件を起こすなど、「武闘派スカウト軍団」と見られてはいたが、23年2月、その凶暴性を象徴する事件が起きた。
「規約違反」したメンバーを全裸にして性玩具を…
「幹部補佐」役にあたる30代のメンバーが組織のカネを使い込み、借金をするなどの「規約違反」を犯していたことが発覚。幹部は部下と共にこのメンバーをナチュラルの寮に呼び出して繰り返し暴行を加え、全裸にして男性器を模した性玩具を肛門に突っ込み、その様子を撮影するという凌辱的な行為に及んでいた。その後、約1週間にわたり監禁されたメンバーは解放後に警察に駆け込み、十数人が逮捕される事態となった。
当事者のみならず、組織内に恐怖心を植え付ける、制裁という名のリンチ。メンバーによれば、目の前で暴行の様子を見せられたり、その様子を撮影した動画を回覧させられたりすることは日常茶飯事だという。
