また、組織防衛を専門に担う「防衛部」なる部署もある。詳細はベールに包まれているが、捜査情報の収集や、警察内部に協力者を仕立てる秘密工作も行っていると見られている。昨年情報漏洩で逮捕された警視庁の警部補もこの部署と接点があったという。

 ナチュラルの心臓部ともいえる「闇アプリ」。関係者によると、以前はエストニアの既製品をベースにしたものを使っていたそうだが、23年のリンチ事件(※記事前編〔#1〕で紹介)で警察にスマホが押収されアプリの存在が知られたため、プログラミング技術を持った内部の人間が1000万円以上の費用をかけて独自に開発したという。

 捜査関係者が呟く。

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「単なる粗暴な組織ではないところがやっかいだ。従来のスカウトのようにちょっとヤンチャなメンバーだけではなく、中には偏差値の高い大学に在学中に誘われて組織に入り、幹部となった人物も少なからずいる。ITやデジタル分野、法律に詳しい人物を多く抱えているのも特徴だ」

女性たちが働く限り続く

 ナチュラルの収益源は言うまでもなく、女性たちの身体だ。スカウトバックの額は女性の毎月の稼ぎの約15%で、女性がそこで働く限り続く。やり手スカウトでは月収100万円を優に超え、中には月に1000万円以上を稼ぐ者もいる。収入の一部は組織に上納されるため、優秀な部下を抱えている幹部たちの懐には、放っておいても年間億単位の金が入ってくる。

 こうしたスカウトを介して「夜職」に就くのはどんな女性たちなのだろうか。取材班は彼女たちにも話を聞いた。

 20代の風俗嬢が語る。

「なんかね、スカウトさんはLINEで連絡したらすぐ返信くれるしね、つい仕事以外のことでも頼っちゃうかな。友だちにも彼氏にも相談できないことを、気にせずに言えるしね」

写真はイメージ ©maruco/イメージマート

 夜の店ではボーイや黒服と呼ばれる男性スタッフが大抵のことはやってくれるからなのか、夜職の女性はとにかく「面倒くさがり」が多い印象だ。仕事の斡旋だけでなく、スカウトに身の回りのことを頼む女性は少なくない。

 人気嬢になるために美容整形手術を受ける女性も多く、人気のクリニックを紹介してもらったり、中には買い物から旅行の手配まで頼んでいる女性もいた。

早慶やMARCH、関関同立クラスもスカウトに

 両者の関係はある種、独特だ。スカウトにとっては金儲けの道具である。逃げられてはカネにならない。頭脳を使った戦略や気配りも必要になる。そのためか、メンバーには早慶やMARCH、関関同立クラスの大学出身者が少なからずいる。

「相手の相談に乗りながら、一番フィットしそうな店を提示してクロージング(契約)する。内容的には営業職やコンサルみたいな仕事と重なる部分もあると思いますよ」(有名大学出身メンバー)