日本経済の中心地、東京・丸の内から“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「丸の内コンフィデンシャル」。最新号からダイジェストで紹介します。

◆◆◆

SaaSの生存競争

 米AI開発企業アンスロピックが1月に公開した「コワーク」がSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)業界を震撼させている。会計や人事、顧客管理などの機能をクラウド上で提供するSaaSは2010年代前半から日本でも普及し、freee(佐々木大輔CEO)やマネーフォワード(辻庸介社長)、スマートHR(芹澤雅人CEO)などが先駆者として市場を開拓。freeeやマネーフォワードは電子帳簿保存法の規制緩和などで強力なロビイングを展開し、霞が関でも存在感を高めてきた。

ADVERTISEMENT

今年1月、米AI開発企業アンスロピックがAIエージェント「コワーク」を公開 ©NurPhoto via AFP

 しかし、コワークの公開によりSaaS企業の顧客が業務で用いるソフトウェアを内製化したり、エージェントと呼ばれる自律的なソフトウェアが顧客の業務を代替することなどが懸念されている。世界で同様のAI開発も進んでおり、定額料金をユーザー数に応じて徴収するSaaS企業にとって、ビジネスモデルの根幹が揺らぐ事態だ。

 震源地の米国ではすでに顧客情報管理のセールスフォースが1年で株価を半減させ、日本の関連銘柄も軒並み下落。SaaS企業以外にも飛び火し、破竹の勢いで成長したソフトウェアの品質保証テストを行うSHIFT(丹下大社長)や、ITコンサルティングの人気企業ベイカレント(阿部義之会長兼社長)も低迷する株価に苦しむ。

 いずれも足元の業績は好調で、投資家の懸念は行き過ぎとの見方もある。ただし、株価は先行指標。影響が長引けば、株式市場からの退出すらありうる。

※この続きでは、株式市場で起きている非公開化の潮流をまとめています。約5500字の全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年4月号に掲載されています(丸の内コンフィデンシャル)。全文では、下記の内容をご覧いただけます。

★西武・不動産開発の反発
横浜アリーナの運営会社の筆頭株主は西武鉄道で、2位株主として横浜市が名を連ねる。だが、市関係者は…
★KDDI不正の陥穽
行われていたのは架空循環取引と呼ばれる手法だ。広告代理店から広告枠を仕入れ、それを…
★その刀は“なまくら”か
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させたマーケティング集団「刀」の森岡毅CEOが窮地に…

出典元

文藝春秋

【文藝春秋 目次】高市政権「お友だちゼロの」参謀名鑑〈似顔絵イラスト付き〉/三宅香帆 高市総理の秘密は「文体」/安青錦 師弟対談

2026年4月号

2026年3月10日 発売

1250円(税込)

Amazonで購入する 目次を見る
次のページ 写真ページはこちら