帰ってきて、自分の定椅子の前に料理が並んでるのがもう当たり前でね。それで熱いものは熱いタイミングで出してるとか、それも見えない家事ですよ。ほんと「うちは吉兆か!」と思うときありましたね。お料理を一品ずつ出すなんてこともやってたんです。今日だってそう。犬の散歩行ってくれたんで、彼が帰ってくるまで食パンも焼かないで、ガチャンって音して帰ってきたな思ったらトースターのスイッチ入れて、シチューの鍋もあたためて。とにかく熱々で食べさせるって癖なんよね。もう損やわ、考えたら。
家事というのは無限にあるんですよ。でも男にとってみたら「そんなもん大して神経使わんやろ」って。神経使わんのやけど、体は使う。そしてややこしい嫌な作業ですね。明日が見えなくなるようなね。しかも労われなくて、褒められることもなく、当たり前に。「ありがとうの反対語は当たり前」って誰かが言うたけど、ほんまやなと思いますね。
主婦としてのプライドがズボラを許さない
そこで戦おう思ったら、トイレットペーパー替えなかったらいいわけですやん。芯だけにしといてやったら。そしたら「おーい」言うて絶対叫びますわ。そういうこと続けていたら分かっていくんでしょうけど、邪魔くさいでしょう、毎日のことやし。
「私は食器の裏まで洗ってるのよ。鍋の裏まで洗ってるのよ。あなた分かってるの? 幸せもんやね」って自分で言うんもおかしな話で。そうなってくると家事が自分のプライドみたいになってくるでしょうね。主婦としてのプライドがズボラを許さない。
新婚時代、こんなことがありました。旦那の誕生日に、同居してた姑に朝6時半に叩き起こされて。旦那の誕生日だから七草粥を作って祝え、いつもそうしてるっていうの。それで七草粥を二人で作って、旦那はまだ起きてこないから二人きりで食べて。でも、あとで旦那に聞いたら「初めて食べた」って言ってましたね。
昔の主婦のお友達のことも思い出します。おうちに行ったら、トマトくり抜いたのの中にサラダ入れて、ヘタを蓋にしたのが出てきたの。「うちはいつもこうしてます」って顔で。「わあ、奥さんすごい」って3人ぐらいで拍手しとったら子供が帰ってきて「お母さんこれ何?」って。「かわいい、こんなことできるんだね」って。奥さんは「何言ってるの、向こう行ってなさい」。見栄張りたくなんねんな。でも子どもがバラす。誰かがバラす。