「法律云々とかではなく、スジの問題」。2025年6月施行の改正風営法で禁止された性風俗店からのスカウトバック。法令遵守の徹底を図るオーナーに、最凶スカウト集団「ナチュラル」の担当者はこうまくし立て……。
「私たちは法改正を機に、今後ナチュラルとは一切、付き合わないと決めたのです。ところが、女性の斡旋を断った途端、彼らの嫌がらせは日に日にエスカレートしていった。風俗店の中にはこれに耐えられず、違法行為と知りながら密かにスカウトバックを支払い続けている店もあるそうです」
こう語るのは、広島市の風俗店を経営するグループ企業代表のX氏だ。警察当局が「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の象徴として壊滅を図る史上最凶のスカウト集団「ナチュラル」。反社会的組織との決別を決意したX氏に対し、グループは執拗な嫌がらせを重ねていく――。
「スカウトバック」
中国地方最大の都市、広島市の歓楽街。人目につかない道路脇で待機していたデリヘルの送迎車に、若い男が乗り込んだ。帽子にマスクとサングラス、手には手袋がはめられていた。
素顔は見えないが、口調や雰囲気から2、30代だろう。運転手から分厚い封筒を手渡されると、中から札束を取り出した男は指紋を残さぬよう手袋をはめたままの指先で丁寧に1枚1枚数え始める。枚数確認を終えると、鞄から領収書を取り出し、金額に加えて自身の住所と名前、電話番号を記入。領収金額に応じた収入印紙を貼り付け、運転手に渡した。男は、運転手に礼を告げると、足早にその場から立ち去った。
これは、X氏の経営するグループ傘下のデリヘル店が、女性を紹介してもらう見返りに、ナチュラルの関係者へ紹介料として通称「スカウトバック」を手渡す場面である。
人を変え、場所を変え、毎月25日頃になると全国の歓楽街で風物詩として繰り返されてきたこうしたやりとりはしかし、ある時を境にパタリと途絶えた。
2025年6月28日。この日、施行された改正風営法は、スカウトたちの生態系を脅かすには十分過ぎたようだ。
「改正風営法では、性風俗店からスカウトに支払われる『スカウトバック』が禁止になりました。違反した場合は6カ月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、もしくは両方が科せられます」(社会部記者)
日本屈指の繁華街、東京・歌舞伎町の風景も一変。ハイエナの如く彷徨う無数のスカウトたちは激減し、ナチュラルをはじめ、食い扶持を奪われたスカウト集団の一部は、闇に潜り、先鋭化していったのだ。
《この続きでは、風俗店オーナーが告白した“最凶スカウト集団”ナチュラルとの攻防260日について詳しく報じている。記事の全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」で読むことできる》

