保守の思想を子供に浸透させるための組織

 MAGAを構成するのは「無学」な「田舎者」だけではない。キリスト教を土台とした保守の思想を子供に浸透させるための組織が学校という教育現場に入り込んでいる。

 コロナ禍に反ワクチン、反マスク運動を行なったフロリダ州の母親のグループ「Moms for Liberty」は、人種民族、宗教、性などの多様性を描いた児童書を公立学校や公共図書館から締め出す「禁書」ムーブメントを推進した。同団体は全米に支部を展開し、現在は禁書運動以外にも活動を広げている。

 NPO「Prager U」は、キリスト教と保守思想に基づく学童・生徒向けの教育素材(動画、ポッドキャスト、児童書など)を手広く製作している。

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 2025年9月に暗殺された保守派の論客、チャーリー・カークは自身が設立した団体「ターニング・ポイント・USA」によって全米各地の大学を巡り、学生たちと討論を重ねる活動方式をトレードマークとしていた。カークの死後、妻のエリカが団体のリーダーとなり、今年4月より大学ツアーを再開する。ツアーに参加するゲストには、トランプ政権副大統領のJDヴァンス、ホワイトハウス報道官のキャロライン・レヴィット、トランプの長男ドンJr.が含まれている。

2025年9月に暗殺された米保守論客のチャーリー・カーク ©AFP=時事

 ターニング・ポイント・USAは高校生向けのプログラムも開始しており、3月11日、アーカンソー州知事のサラ・ハッカビー・サンダースは州内のすべての高校と大学に対し、ターニング・ポイント・USAの支部を設立するよう奨励。その理由としてハッカビーは「我が国を支える信仰と自由の価値観を学ぶ」と述べている。

 ハッカビーはトランプ政権第1期のホワイトハウス報道官だった人物で、大統領選への立候補が噂されている。父親のマイク・ハッカビーはトランプ大統領に任命され、現在は在イスラエル米国大使となっている。

MAGAはもはやトランプ支持の個々人を指すのではない

 トランプはエプスタイン問題、イラン戦争など、自らが起こした問題に足をすくわれ支持層MAGAを失いつつある。しかし、MAGAはもはやトランプ支持の個々人を指すのではなく、文化、政治思想となっている。2028大統領選では民主党であれ、共和党であれ、トランプ以外の大統領が誕生する。しかし、MAGAの思想をベースとする団体は教育分野だけでなく、政治シンクタンクなどすでにいくつもあり、そこに所属する人々の総人数は計り知れない。

 今年の中間選挙、2028大統領選で民主党が勝った場合も、民主党およびリベラルはアメリカを再建するためにMAGA思想と真摯に向き合い、折り合いをつける方法を見つけなければならない。(文中敬称略)

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