男性たちに取り入れた理由は「家事とセックス」

 再婚を考えた事情を尋ねると、千佐子はこう答えた。

「生活のためです。仕事は続けなあかんし、借金は返さんとあかん。それが第一。商売してたら、男の人の手も必要ですからね」

――そのために好きでもない男性と結婚していたのですか?

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「好きじゃない人とは結婚しませんよ。でも、そこそこの経済力がある人というのが条件でしたね」

 筧さん以外の3人の被害者は体が弱く、自分が経済的に支えていたという先の話と矛盾しているが、千佐子は無自覚のようだった。ちなみに千佐子が犯行に用いた青酸化合物は、印刷会社で印刷の失敗を消すために使っていたものだったとされている。

被害者の一人、筧勇夫さんの家 ©片岡健

 では、どうやって男性たちを次々籠絡したのか。何かテクニックがあったのか。そう質すと、千佐子は「そんなん一切無いですよ」と笑い、こう続けた。

「私はいつも自然体です。結婚できたのは、私が誰にも陰日向なく接して、炊事や洗濯、掃除という女としての仕事もできたからやないですか。体も元気やからセックスもできました。だからベッピンじゃなくても、男の人らは80点くらいに評価してくれたんでしょう」

 千佐子は何ら悪びれることなくそう話すと、こう付け加えた。

「私も相手の良いところを見るようにしていました。再婚やから、理想を高く持ったら結婚できないから」

―─被害者とされる4人の男性にはどんな良いところがあったのですか?

「真面目なところですね。末広さんにしても、本田さんにしてもほんまに優しい、エエ人やったですよ」

 笑顔でそう語る千佐子は、人を殺めたことに罪の意識を感じていないように見えた。

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