凶悪犯罪を犯した死刑囚の中には、獄中結婚をする人もちらほらと存在する。中でも2人の死刑囚と結婚した女性が水海睦子さんだ。
自らも10回ほど刑務所に入ったことがある彼女は、「寝屋川中1男女殺害事件」の犯人・山田浩二と結婚。しかし山田の人間性に嫌気が差したのち、今度は強盗殺人で死刑判決を受けた山田(旧姓・松井)広志と結婚した。なぜ再度、死刑囚と結婚したのか? 『実録 死刑囚26人の素顔』(片岡健、宝島社)から一部抜粋して、お届けする。
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死刑囚と離婚した後、また死刑囚と結婚したワケ
松井が山田姓になったのは、山田と獄中者同士で文通して親しくなり、養子縁組したためだった。その際、松井は山田の妻だった睦子さんと知り合ったという。そして松井が2023年12月13日、裁判を終えることなく「死刑判決を受けた被告人」という立場のまま、ガンで死亡する直前、睦子さんは松井と入籍していたのだ。
睦子さんはその事情をこう説明する。
「広志君は裁判で犯行の目的がお金と認定されたのが納得できずに控訴しましたが(※)、死刑は受け入れていました。それが浩二と違います。私は広志君にプロポーズされ、広志君が被害者の人たちの冥福を祈れるように支えてあげたいと思って結婚したんです」
※松井は犯行動機について、「仕事探しがうまくいかない中、パチンコで6万円負けてしまった。アパートに帰った際、近所に住んでいた被害者夫婦のうち奥さんから『仕事もしていないのに、(遊んで)いいご身分ね』と言われ、怒りがこみ上げて犯行に及んだ。金目当ての犯行はではない」と主張していた。
睦子さんは結婚を承諾する際、松井に「死ぬ時は自分ではなく、被害者に手を合わせて欲しい」と伝えたそうだが、松井はこの約束を守って逝ったという。
「広志君は死期が迫る中、ガンが肝臓などに転移していたので、痛かったり、苦しかったりしたと思います。でも、『痛い』とか『辛い』とかという言葉は一切口にしませんでした。『自分より被害者の人たちのほうが辛かったんだから、俺は辛いなんて言える立場じゃない』と言っていました。最後まで罪と向き合っていたと思います」
