退官した国家公務員の間で、コンサルティング会社など個人事務所の立ち上げが相次いでいることが文藝春秋編集部の取材で分かった。文藝春秋5月号(4月10日発売)の「官邸官僚たちの華麗なる第二の人生 全25人リスト」で詳述している。

 キャリア官僚といえば、かつては早くから事務次官候補を一人に絞り、それ以外の職員に早期退職を迫ることが習わしだった。ところが、2007年に国家公務員法が改正され、出身省庁による再就職の斡旋が禁止に。その後、早期退職勧奨制度も廃止されたことで、キャリア官僚たちの再就職事情は一変したという。

現役時代の数倍の年収を稼ぐ人も

 同記事で、財務省の局長経験者は「いまは“サバイバル”の時代だ」とした上で、次のように証言している。

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〈「定年まで勤める職員が増えている。一方で、省庁の斡旋は禁じられていますから、独自の人脈がなければ再就職できない。伝手がないまま定年を迎え、年金収入だけの元官僚も多い一方で、顧問や社外取締役を数多く務め、現役時代の数倍の年収を稼ぐ人もいます」〉

 さらに同局長経験者は、個人会社を立ち上げるのが最近のトレンドだと語る。本記事では、各省トップ層経験者の間で個人事務所の設立が広がっている実態が紹介されている。

〈中村格(いたる)元警察庁長官(昭和61年、警察庁)は2022年、安倍元首相銃撃事件の責任を取る形で長官を辞任したが、翌年には「オフィス中村」を設立。コンプライアンスについてのコンサル業務を行う。ほかにも、大島一博元厚労次官(62年、旧厚生省)の「社会政策研究所」や、末松広行元農水次官(58年、農水省)の「次世代産業研究所」、西正典元防衛次官(53年、旧防衛庁)の「西事務所」などが確認できる〉