インゲン豆や煎茶を日本にもたらしたと伝えられる隠元禅師ゆかりの寺、長崎市寺町にある興福寺の32代目をつとめる松尾法道和尚。住職として歴史ある寺院を取り仕切る名刹の禅僧である一方、英会話やピアノが特技で女子高の教師をしていたこともあるという幅広い経験の持ち主。
 そんな和尚さまが説く、運気のあげ方のコツとは。

生きているだけでも知らぬ間に犯している罪やケガレ

「自分は運が悪い」、そんな相談をよくされます。わたしは、25歳のときから九州・長崎にある「興福寺」という寺の住職をしているのですが、寺にはいろんな悩みを抱えた人が相談にこられるのです。

東明山興福寺住職 松尾法道和尚 ©川内太郎

 人は、普通に生きているだけでも知らず知らずのうちに犯している罪やケガレがあります。たとえば、電車の乗り降りで人にぶつかってしまったとか、無意識のうちにことばで人を傷つけていたとか。たいしたことない、なんて思う勿(なか)れや。そうした不正不純なものを、むかしの日本人は、衣食住の営みの中で自然に浄める習慣が身についていたのです。でも、なにかと忙しい現代では日常の中の「浄化作用」が減ってきています。

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 この小さな罪やケガレが積み重なった状態では、運気は滞っていくばかり。「ケガレを祓って⇒運気をあげる」、つまり日常を健やかな状態にしておけば、自ずと「運気の代謝」はあがるのです。そんな日常でたまる陰の気や不安、厄を浄めて、毎日に幸運を呼び込む53のコツを、著書『龍がすむ赤寺の教え 「運気の代謝」があがる! 日常作法のコツ』に集めてみました。その中から、日常でやってしまいがちな運気が滞る5つの原因と解消法をご紹介します。