ロイヤルファミリーと市民との意識のずれを象徴している“決定的写真”
もちろん、ジュエ氏は愛子様のように(おつきの人がいるとはいえ)単独で学校や会社に出かけることはない。常に金正恩氏の公開活動の中で行動している。最高指導者に近い存在であることをアピールし、国民に「次の指導者はジュエ氏」という意識を刷り込むことが目的とみられる。
ただ、最高指導者が参加する「1号行事」と呼ばれるイベントは最高の警備態勢が敷かれる。国民が気軽に「ジュエさん」などと呼びかけられる雰囲気でもない。それ以前に、まだ国民は「ジュエ氏」の名前すらも知らされていない。
そして、元幹部は朝鮮中央通信が2月17日に配信した写真を見て絶句した。
「これこそ、ロイヤルファミリーと市民との意識のずれを象徴している写真だ」という。そこには、新たに完成した平壌市和盛地区の住宅街を視察して回る正恩氏一家の姿が写っていた。
高級な楽器店なのか、ギターやトランペット、ピアノなどを見て回った。
北朝鮮で庶民が親しむ本格的な楽器の一番手はアコーディオンだ。各地区や職場ごとに配置される宣伝扇動隊が使うからだ。宣伝扇動隊は田植えや工事の現場に出向き、音楽を奏で、歌を唄いながら農民や労働者を励ます。
アコーディオンは一番使い勝手の良い楽器なのだという。ピアノやギターに親しむ人もいるが、それは職業として身を立てようとする場合か、ごく一部の富裕層だけに限られる。それこそ、平壌ですら、2LDKのアパートに全く知らない2世帯が同居しているのも当たり前という状況で、気軽に楽器など扱えたものではない。
さらに、決定的な写真も含まれていた。そこにはガラスケースの向こうにいる子犬たちを見ながら微笑む、正恩一家の姿があった。
前出の元幹部は「北朝鮮でもペットを飼う人間はいるが、高級幹部に限られる。飼っている幹部も、ブルジョア主義だとか非社会主義的傾向があると非難されることを恐れ、犬を外に散歩に連れ出すことはない」と話す。
