精液を体内に取り込むことで「男らしさ」を得る

 つまり、儀礼の介入がなければ、少年たちは大人の男性としての能力を、自然には獲得できないと、サンビアの人たちは信じているのです。このイニシエーション儀礼では、少年たちは年長の若者たちから精液を与えられ、これを体内に取り込み、充満させることで男性性へと目覚めます。具体的に言えば、7歳前後になった少年は自分たちの先輩である若い男性たちにフェラチオ(口唇性交)を施すことで、射精を促し、これを飲み込むことで、男性性を獲得するのです。少年に精液を与える若者たちは、結婚して子どもが生まれたのちにその役割を終えます。

 隔離された男子秘密結社を持つサンビア社会では、女性に対する穢れという価値観があり、言い換えればこれは女人禁制の制度です。男子秘密結社に加入する際には、少年は女性からの影響、母親との生活の穢れを取り去らなければなりません。そのために、鼻からわざと出血させる儀礼を施し、「清浄な状態」を取り戻し、儀礼的同性愛によって男性性を受け取る準備を整えます。その後、少年たちは先ほど述べたような年長の若者たちとの同性愛的関係になります。精液の受け手である期間は、およそ7~10歳から15歳前後になるまで続きます。

 その後、若者へと成長した少年は逆に精液の与え手としての役割を担い、後輩の少年たちとの同性愛関係を続けます。このとき、精液の与え手の若者と受け手の少年は、「結婚」していると見なされます。

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父親になったのちは異性愛へ

 精液の与え手の若者は、女性との結婚後もこの儀礼的同性愛を続けますから、その際にはバイセクシュアルな性的指向を持つことになるでしょう。やがて、自分の妻に子どもができ、父親になるのと引き換えに、少年との「結婚」関係は解消されるのです。つまり、父親になったのちは、ヘテロセクシュアル(異性愛)になるというわけです。

写真はイメージ ©アフロ

 まとめると、精液の授与は、サンビアの少年たちを成長させるために行われるのです。精液を体内に取り込むことで少年は、男性性を獲得します。これは戦士であることを求められるサンビアの男性にとってはなにより重要なことです。常に戦争状態にある彼らにとって、男らしさは戦士に象徴されるからです。

 他方、精液の与え手である若い男性にとって、同性愛的儀礼は性的快楽を得るのに役立ちます。というのも、女性に対する穢れの観念が強いサンビア社会では、婚前の若者にはそれ以外の性的はけ口がないからです。そして、この儀礼的同性愛を通じて、次世代へと「霊的なサブスタンス」、つまり男らしさの根源的な物質を伝えていくことができると信じられています。

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