日記にある社外取締役たちに責められた「夢のない予算」というのは、ライブドアに対しての焦土作戦の一環でした。つまり「こんなビンボーな会社なんですよ」とアピールするためのもの。ライブドアは来期の予算として掲載しなければいけないから、中村先生が「抱きつき自爆テロ」と呼んでいた、「買われる側の脅し」の方法です。これは社外取締役とはいえ、共有するわけにいかない情報でしたから、叱責を甘んじて受け止めるしかありませんでした。

 新株予約権に関しては、高裁でも発行は認められず、負けた結果の記者会見を開きました。針の筵というやつです。本当に参りました。株主名簿の締め切りも迫ってきている中、これ以上何をやってもしょうがない。最高裁に持っていっても時間がかかるばっかりです。残る手は北尾さんに頼む貸株だけという状況でした。

ADVERTISEMENT

東京高等裁判所の看板 ©時事通信社

 明くる日、睡眠導入剤を飲んでやっと寝てから起き上がり、10時から社員全体会議に出席しました。昨夜、局長、役員たちと長い間話した内容を社員たちに淡々と話すしかありません。なんだか、悲しい、イヤな役割、情けない社長です。

 お昼には臨時取締役会です。(中略)

 I取締役が「バタバタしすぎる。おかしい」と反対したので、こちらも一生懸命説得に回りました。I取締役の気持ちはわかるのですが、とにかく、今年6月のフジテレビの総会を助けなければならないのです。(中略)私らはギリギリセーフという感じ。

SBIの北尾吉孝CEO(当時) ©時事通信社
次の記事に続く 「点滴を打った日枝会長」極秘会談で、ホリエモンがなぜか語り出した“宇宙旅行”への異常な熱弁