これ以上の眼福がこの世に存在するのか
圧巻だったのは、三井不動産リフォームの女子社員によるキャンディーズ。
顔もスタイルもパフォーマンスもそんじょそこらのアイドルに勝るとも劣らない3人組OLが、赤いドレスをまとい、レースをあしらった猫耳を頭につけて「ハートのエースが出てこない」を歌い踊る。本当に、これ以上の眼福がこの世に存在するのかと問いたい。
いっそのことこの3人には、PerfumeならぬReformなるグループ名を名乗り、正々堂々とメジャーデビューしていただきたい。それぐらいの見事な仕上がりっぷりなのだ。
なお、彼女たちは普段、ヘルメットをかぶりリフォームの現場に足を運んでいるという。そのギャップを知れば一層、胸の奥に甘酸っぱい何かがあふれてくるではないか。
のど自慢にエントリーするために事務所を移転した会社
……しかし、たった今熱くその魅力を語った2組は、上位にランクすることがなかった。自分と審査員との間に横たわる評価基準の齟齬に悶えるが、それもまたこのフェスのお約束。順位が発表されるたび、会場のあちこちから落胆と不満の悲鳴が沸き起こる。
優勝したのは、ジャパンネット銀行の大黒摩季「熱くなれ」。小柄ながらパンチ力に満ちた女性ヴォーカルがキレッキレに躍動する2人の男性ダンサーを従えて繰り広げる熱演は、この人たちの本業が何だったかをすっかり忘却させる。もしも週末のイオンモールのステージにこの3人が出演するなら、筆者は電車を乗り継いで観に行くことであろう。
それ以外にも、定款に「三井ビルのど自慢への出場」と記されているのではないかと疑りたくなるほどこの大会にのめり込んでいるマーケティング会社・マクロミルの大躍進、のど自慢にエントリーするために事務所を移転したと豪語するカルビーのデビューなど、今年の大会は話題がいっぱいであった。
まだまだ書き足りないがこの辺で。来年の夏の終わりは、55HIROBAでお会いしましょう。同僚でも取引先でもない会社員たちのパフォーマンスを観て、泣け! 笑え!