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これまで沈黙していた新聞メディアが伝えた意味

 ところで、先程から私は「週刊誌メディア」と言及してきたように、この小室圭さんの実家の金銭トラブルに関する報道は、週刊誌で大きく展開され、同じメディアでも新聞はほとんど報じていない。その意味で、新聞は比較的この問題に冷静であった。「朝日新聞」が今回、「納采の儀は行えない」と秋篠宮夫妻が小室圭さん側に伝えたと報道したことは、それまで沈黙していた新聞メディアが伝えたからこその大きな意味と、それがゆえにその報道内容の真実味を私たちに強く感じさせる。先の「朝日新聞」の引用では「という」という文言が目立っているように、やや伝聞的な書きぶりとなっている。この報道は、「関係者の話を総合する」形で展開されている。

2017年11月、52歳の誕生日を前に、記者会見に臨まれた秋篠宮さまと紀子さま 宮内庁提供

 そもそも、今回の眞子内親王と小室圭さんとの「婚約」を巡っては、宮内庁の正式発表よりもメディアの報道がかなり先行していた。昨年5月にNHKが、眞子内親王と小室圭さんが婚約する見通しであることをスクープしたことから、問題は始まる。その後、二人の出会いなどがマスメディアで盛んに報じられた。そして、九州北部の記録的な豪雨で大きな被害が出ていることを受け、当初予定されていた7月8日から9月3日に延期して、婚約内定記者会見が行われた。

「結婚延期」発表直後、2月9日「第49回現代女流書100人展」での眞子さま ©JMPA

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 正式な婚約となる「納采の儀」を始めとする結婚関係儀式等の延期が発表された時、眞子内親王は「昨年5月、予期せぬ時期に婚約報道がなされました。このことに私たちは困惑いたしましたが、結婚の意思を固めていたことから、曖昧な状態を長引かせない方がよいとの判断をし、当初の予定を大きく前倒しして婚約が内定した旨を発表することにいたしました」という文書を発表している。それは、先行する報道によって、準備が進んでいない状況で結婚に関する天皇の「裁可」(許可)を得なくてはならなくなってしまった、と暗示しているようにも見える。メディアの報道によって、皇室の結婚のプロセスが加速して展開してしまったとも言えるだろう。