日本を動かす官僚の街・霞が関から“マル秘”情報をお伝えする『文藝春秋』の名物コラム「霞が関コンフィデンシャル」。最新号から、ダイジェストで紹介します。 

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高市首相の「これしかない」パフォーマンス

 かつてない緊張の中で迎えた日米首脳会談を終え、官邸の面々も高市早苗首相のなりふり構わぬ「親トランプ」のパフォーマンスには、さすがに圧倒されたようだ。ドナルド・トランプ米大統領のイラン攻撃が国際的な支持を得られていなくとも、首相は満面の笑みを振りまくのをためらわなかった。自民党内にも「バランスばかり考える凡百の政治家や役人にはとてもできない。首相の『これしかない』という覚悟が伝わってきた」(閣僚経験者)と感心する声が広がった。

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ホワイトハウスで開かれた夕食会で笑顔を見せる高市早苗首相(左)とドナルド・トランプ米大統領 ©時事

 首相の振り付けを練ったのは、国家安全保障局(NSS)の市川恵一局長(平成元年、外務省入省)。一度はインドネシア大使に決まっていたが、高市政権発足後に一転してNSS局長に就任。石破茂政権下で任命された前任の岡野正敬氏(昭和62年、同)を、「政治任用」重視で1年足らずで交代させたのは首相の強い意向だった。もともと親交があったわけではないが、いまや首相動静上の面会数はトップクラスである。

 市川氏は、仕える政治家で態度を臨機応変に変える一面も併せ持つ。民主党政権時の枝野幸男官房長官の秘書官として首相官邸スタッフに加わり、なりふり構わぬ野党自民党の追及に義憤を示していたかと思いきや、政権交代で新官房長官として官邸に乗り込んだ菅義偉氏から「残りたいのか」と問われると、すぐさま首を縦に振り、以降は菅氏の後押しもあって省内で“安保マフィア”の階段を順調に駆け上がった。

 NSS局長には説明責任もないうえ、権限は外務大臣に匹敵する。記者会見も国会出席もなく、出張先をひた隠しにすることも可能だ。米国側のカウンターパートは国家安全保障担当大統領補佐官、中国側は共産党で外交を統括する政治局員だが、現在はそれぞれマルコ・ルビオ国務長官、王毅外相が兼ねる。当然、米中ともに首相と市川氏の距離を常に注視している。

続きでは、外務省内で主流を歩む人々の特色について触れられています〉

※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(霞が関コンフィデンシャル)。

出典元

文藝春秋

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