苦労には“良い苦労”と“悪い苦労”がある
坂井 他に、ぐんぴぃさんに実は影響を及ぼしている挫折経験はありますか?
ぐんぴぃ なんだろう……『研修テレビ!!』[テレビ朝日]に一緒に出ていた令和ロマンが面白すぎたことですかね。「こんなに令和ロマンが面白いなら、もう俺は終わりだ……」って思いました。M-1も獲っちゃうし。そういう芸人としての挫折はあるかもしれないですね。
坂井 くるまさんって、冷蔵庫でいう“リッター量”が尋常じゃないもんな。
ぐんぴぃ 言語化する能力もすごいし。僕も令和ロマンも、わーっとたくさん喋りたい派の人間なんですよ。でも、僕よりも令和ロマンの方が語彙が出てくるのが早いし、番組の筋に合わせたことを言える。いやあ、すごいな、こんな人が現れるんだなと思っています。
坂井 それは「ロールモデルストレス」ってやつなんですよね。
ぐんぴぃ なにっ!? ロールモデルストレス!?
坂井 簡単に言うと「あの先輩がすごすぎる」とか「自分と同じ時期に同じ仕事をしていた後輩が早く出世した」みたいなことなんですけれども。
ぐんぴぃ 全然ありますよね、弟がすごいとか。
坂井 あるあるです。でも逆に言うと、くるまさんはくるまさんで、自分よりもぐんぴぃさんの方がすごいと思っていることも、多分あると思うんですよ。
ぐんぴぃ なにっ!?
坂井 組織の悩みって、だいたいあるあるだったりするわけですよ。
ぐんぴぃ へえ、すでに理論化されて言葉ができているんですね。
坂井 そうなんです。今の話にもつながってくるんですけど、やっぱり挫折経験をちゃんと深掘りしたいと思っているんです。私が気になっているのは、どこまで本当の話かわからないですが、「Googleに入社して活躍する社員は、実は学歴が高い社員ではない」といった話です。「学歴が高い奴じゃなくて、苦労した奴が一番成果を出している」という話が出てくると、“苦労界隈”の人たちが「そうだそうだ」って同調してくる。でも、これって本当なのかな?と思うわけですよ。というのも、挫折経験や苦労話って、一歩間違えると武勇伝や不幸マウントになるし、「最近の若者は辛抱が足りん」という話につながるじゃないですか。
ぐんぴぃ 「俺の時代はこうだったぞ!」と。
坂井 「理不尽に人を追い詰める道具にもなるな」と、ずっと思っていたんですよ。だって苦労には“良い苦労”と“悪い苦労”があるじゃないですか。
ぐんぴぃ 良い苦労と悪い苦労!? そんなふうに考えたことなかったけど。
