坂井 良い苦労と悪い苦労があるというよりは、「あれは良い苦労だった」と解釈できるパターンと、悪い苦労に解釈してしまうパターンがあるということなんです。さらに言えば、恩師がいるかどうかによって、良い苦労になるか、悪い苦労になるかが左右されるんです。
ぐんぴぃ 恩師、メンターがいるかどうかってことですね。
坂井 そうなんですよ! 面白いんですよね。挫折経験ってポジティブにもネガティブにも転ぶじゃないですか。そしてもうひとつ私が気になっているのが、「苦労人ほど人に優しい」論です。
ぐんぴぃ M-1で最下位になっていた千鳥さんだからこそ、終わった後の打ち上げで負けた芸人たちに「いやわかるよ、俺らもあの時スベったもん」って言ってあげられる。そういうことじゃないですか?
坂井 そうですね。もちろんそっちに転ぶパターンも当然あるのですが、ネガティブに転ぶパターンもあるんですよ。苦労人だけど、めっちゃ性格悪い人っていないですか?
ぐんぴぃ いるなぁ〜!!(笑)
坂井 挫折経験をポジティブに捉えられた人は、他者の悲しみを理解できるようになり、相手の気持ちを考えて行動できるようになる――研究では「対人配慮」って言うんですけど――、そういう共感性が育つこともあるんです。でも逆に挫折をネガティブに捉えると、まず「人はすぐに手のひらを返すものだ」という他者不信に陥って、人間関係を避けるようになる。さらには「お前も俺と同じような苦労を積めよ」とか「あいつは俺を裏切ったからな」みたいに、他者への敵意や報復心を持つようになっちゃうパターンもあります。
ぐんぴぃ 苦労で心が折れて“闇堕ち”みたいなことですか?
坂井 まさにそうですね。聞いていいかわからないですけど、今までそういう人いました? 具体例で。
ぐんぴぃ なんで具体例を言わなきゃいけないんだよ!(笑) 闇堕ちでいいだろ!
坂井 闇堕ちでいいか(笑)。まあそれぞれ想像していただければと思いますけど、ちょっと1回理論を説明させてください。
ぐんぴぃ 理論の説明の時間だ! みんな、聞け!
挫折をダメージと解釈すると人を信用できなくなる
坂井 先ほども言った通り、大切なのは“解釈”なんです。挫折経験は大別すると2パターンに分かれるんですね。1パターン目が自己成長と捉えるパターンです。要は「挫折経験は生きていく上で必要で糧になるな」と解釈するパターン。こちらの解釈をした場合は、他人への配慮ができるようになる。
ぐんぴぃ さっきの『研修テレビ!!』の例で言うと、「令和ロマンはすごいけど、俺は俺でこのネタを頑張ろう」と考えて自分のエンジンにできれば、まあまあ良い解釈ってことですかね。
