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「あなたの夫はもうここにはいません」
「わたしの夫はどこにいるのでしょう」。ロジンが入管職員に尋ねると、職員は言った。
「スリマンさんは収容しました」
ショックを受けた母と子が、職員に面会させてくれるよう求めても「今日は会わせられない」の一点張り。そして言った。
「明日、一番に本人から監理措置の申請をするようにしてください。許可されれば解放されますよ」
2023年の入管難民法改正で導入された、仮放免に似た「監理措置」で解放される可能性があるというのだ。母子は、急いで監理措置の申請書類の作成準備にかかった。
その日、ディヤルは一家が代理人として依頼している弁護士に、何回も連絡したが、連絡が取れない。事務所に聞くと「弁護士は夏休み」。全部、自分たちでやるしかなかった。
翌20日、申請書類を携えて、再び東京入管を訪ね、父に会わせてくれるように頼むと、職員は言った。
「あなたの夫はもうここにはいません」
驚いた母子が「どういうことですか」と聞くと、職員は「トルコに強制送還しました」と言った。
「なんですって!」。ロジンは叫んだ。