「そんなはずはない。わたしたちはここにいるのに、信じられない。何てことしたんですか」。トルコ語と日本語をごちゃまぜにして泣きながら入管に訴えた。興奮したロジンは嘔吐し、気絶し、床に倒れ込んだ。首のところに赤いぶつぶつがでている。

「お母さんが大変だ。早く救急車を呼んでください」。ディヤルは助けを求めたが、入管職員は動こうとしない。

「もうどうしようもないんだ」

 ロジンの意識は5分ほどで戻ってきた。それでも抗議を続けていると、職員が言った。

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「もうどうしようもないんだ。帰らないと、この子どもも連れて行くよ」

 ディヤルまでも収容し強制送還するというのだ。ロジンはあきらめた。職員は脱力した2人を追い払うように施設の外に押し出した。

 家には、親戚や知人らが集まってきた。弁護士は相変わらず連絡がつかない。だれもよい案を何も思いつかなかった。みんなが帰って、ディヤルがベッドに入った午前0時ごろ、ディヤルのスマホに連絡が入った。

写真はイメージ ©getty

「おれだよ……」

 弱々しい声が聞こえてきた。父親だった。トルコのイスタンブールの空港からだという。

次の記事に続く 「入管か何か知らないけど、制度が間違ってます」と悔しがる友だちも⋯“プロサッカー選手になる夢”を奪われた15歳クルド人少年のその後