裏金問題が広く世に出た瞬間

「岸田自民に『カネの大醜聞』」という記事で、自民党内部では検察の事情聴取の内容から今回はまずいと感じている、解散総選挙に突入すれば検察の動きは止まるという意見まで出ている、という内容だった。早く選挙をやってしまおうという話である。

『選択』を読んで、こんな動きがあるのかと注目していたら、2週間後にNHKが「自民5派閥の団体 約4000万収入不記載で告発 特捜部が任意聴取」(2023年11月18日)と報じた。裏金問題が広く世に出た瞬間だった。その後の大ブレイクぶりは説明不要だろう。結局、岸田政権は解散できなかった。

 この手の雑誌の味わい方としては、ある情報を胸の内に溜めて推移を見守ることだ。後に大きなニュースになったとき「あの記事を読んでおいてよかったな」と思うわけである。だからすべてが噂話だと思ってしまうのはもったいない。読者のリテラシーや付き合い方も問われる。

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 それでいうと今回の本題の「高市首相と今井尚哉参与が大喧嘩」である。これをどう読むか。『選択』が報じたのでその後の動きに注目していたら、「日刊ゲンダイ」がこの記事を大々的に報じた。

安倍晋三元首相の最側近だった今井尚哉内閣官房参与 ©時事通信社

「高市首相が自衛隊派遣めぐり安倍側近と壮絶バトル→「クビ切り宣言」の恐るべき暴走ぶり “粛清連発”も画策か」

 会員制雑誌の記事内容をそのまま書くなんて、ある意味究極のこたつ記事にも思えるが、タブロイドとしては放っておけない案件だったのだろう。実際、ゲンダイが書いたことで一気に多くの人が知る案件になった。いや、当の高市首相が国会で質問され答えることになった。首相は7日の参院予算委員会で一部月刊誌の報道について「完全な誤報だ」と強く否定している(毎日新聞)。

 しかし首相が否定して終わりとはならなかった。今度は『週刊文春』が「首相と大喧嘩? 今井参与が週刊文春に激白」と報じた。今度は今井氏に直撃である。

 報道内容は今井氏も否定していたが、注目したのは「秘書官の仕事、参与の仕事というのは、耳が痛かろうがどうだろうが、国にとって重要なことについてはきちっと進言しなきゃいけない」と語っていた点だ。行間を感じるではないか。