競馬場のウイナーズ・サークルで、勝利馬の口取り式を華やかに彩るウィナーズレディ。格闘技のラウンドガールに似た役割だが、当初は「本当は競馬なんか興味ないんだろ」とアンチコメントを浴びせられることも多かったという。
現在、中山馬主協会のウィナーズレディとして活躍する姫野みなみさん。12歳から乗馬を続け、24歳で引退馬の馬主になった彼女に、競馬への思いを聞いた。
「ウィナーズレディはただのお飾りじゃない」
姫野さんがウィナーズレディの仕事に就いたのは2022年のこと。競馬番組のキャスターや実況アナウンサーを目指していたものの叶わず、「競馬にかかわる仕事がしたい」という強い思いが縁を引き寄せた。
レース後の口取り式に参加したり、レースナンバーを掲げてパドックで周回したりするのが主な仕事だが、当初は心ない声も絶えなかった。「騎手に口説かれたりしないの?」という的外れな質問から、アンチコメントまで。姫野さんはこう振り返る。「そういうイメージを絶対に変えてやろうと思って活動してきました。ウィナーズレディはただのお飾りじゃないぞ、と」。
SNSでの積極的な発信を続け、競馬場でのマナー啓発なども行ってきた結果、今ではアンチコメントはほぼ見かけなくなったという。姫野さんの「馬好き」というイメージが定着し、特に女性ファンが増えたことが大きな変化だと話す。
「1頭だけ私に懐いた子がいて…」引退馬の馬主になったワケ
そんな姫野さんが競馬の表舞台と同じくらい力を入れているのが、引退馬の支援活動だ。2021年、まだウィナーズレディになる前に引退馬の馬主となり、新潟県の養老牧場「松原ステーブルス」でトキメキシオンという馬の面倒を見ている。
「どの子にするか迷ったんですけど、1頭だけ私に懐いた子がいて……いきなりドンって頭突きしてきたんですよ(笑)。『僕がいいよ』と訴えかけているみたいで、じゃあこの子にしようと決めました」
トキメキシオンは血統こそ良かったが、一度もレースに出られなかった馬だ。「まったくスポットが当たらなかった馬なのですが、私はそこにフォーカスしてあげたかったんです」という言葉には、自身を重ねる部分もあるという。
「芸能界も競馬も、第一線で活躍しているときじゃないと興味を持ってもらえない。そういうスポットが当たっていない馬を見ると、自分を重ねてしまうというか……」
4月19日、中山競馬場では皐月賞が開催される。姫野さんが「ホームのような場所」と語る舞台で、世界にたった4人のウィナーズレディは今日も競馬場の華として立ち続ける。
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