しかし、ナイキの25年5月期売上高が対前期比9.8%減に終わっている一方で、アディダスが同4.8%増と2期連続増収していることと比べると、ブランドとしての「勢い」は明らかに弱まっているといえます。
ナイキの不調に呼応するように、2023年ごろから急速に消費者からの注目を集め始めたのが、オン、ホカ、アシックスといったブランドです。またスケッチャーズ(アメリカ)が手を使わずに履けるスニーカーで大ヒットを飛ばし、急成長しています。他ブランドから類似商品が相次いで発売されているほどです。
もちろん、いずれの企業の売上高もナイキには遠く及びませんが、消費者からの注目度は急速に高まっています。周囲の反応を見ていると、走りやすさやクッション性の高さなどの機能性が実用面から評価されるとともに、ファッション層からもファッションアイテムとして支持されているのが特徴的といえます。
ファッショントレンドでいうなら、ナイキスニーカーに飽きた人が増え、それがオン、ホカ、アシックスなどのブランドに流れていると感じられます。ファッショントレンドは乱暴に言うと「人びとの気分」ですから、今の「気分」がナイキではないということなのでしょう。普及し切ってしまうと急速に陳腐化してしまうのは、ナイキに限らずどのファッションアイテム、ファッションブランドでも同じことです。
ジョギング、ランニング人気も後押し
一口にスニーカーと言ってもランニング用、バスケットボール用、フットサル用などさまざまな用途に分かれています。どの用途も同じように好調というわけではなく、ここ数年間は圧倒的にランニング用スニーカーの人気が高く、むしろバスケットボール用などの人気は全く高まっていない印象があります。
実際、今注目のオン、ホカ、アシックスの3ブランドもランニング用ハイテクスニーカーが主力商材です。トラディショナルなオニツカタイガーのスニーカーよりも、アシックスのスニーカーのほうが注目されているのは興味深い現象です。