ホテルへ逃げると⋯

 山口は駅の駐輪場に放置されていた自転車を盗み、「あの山に行けば、自分の死体があって、元の世界に戻れるかもしれない」と考え、山の方角へ走り出した。その道中でラブホテルを発見し、「ベッドで寝れば、目が覚めたときに元に戻っているかもしれない」と思い立ち、山へ行くのはやめて、全裸のままラブホテルのフロントを訪れた。

「一泊したいんだが……」

「1人ではダメです」

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「デリヘルを呼ぶから」

「それでもダメです」

「なぜだ?」