――ボーイスカウトは典型的な集団行動系ですよね。

キマノー それが本当にイヤでしたね。小さい頃から大勢で遊ぶのが苦手で、公園でみんながドロケイとか、花いちもんめをしてる時に、僕は隅のほうで泥団子の表面をひたすら綺麗に磨き上げていたタイプです。ボーイスカウトでも当然なじめず、林間学校の最中にみんなが広場に集合したセレモニーから1人で全力でダッシュして林へ逃げ込んだこともありました。先生たちに追いかけられてあっけなく捕まり、もちろんあとで母に激怒されました。

小学校卒業の頃のキマノーさん

――ひとり遊びが好きな子だったんですか?

ADVERTISEMENT

キマノー 図鑑を読んだりするのは好きだったんですけど、それも気に入らなかったみたいでした。というのも母は父方の祖母と仲が悪く、その祖母がガーデニングが趣味だったので、植物図鑑を読んでいるとイヤな顔をするんです。

――それを母親は“矯正”しようとしていた?

キマノー 母自身は人から言われたことに従って着実にやってきた人だから、僕のことも「繰り返し厳しくしつけていけば直るだろう」と思っていたんだと思います。

母親からの蹴り、うずくまったところへひざ蹴り

――しつけは厳しかったですか?

キマノー ビンタされたり蹴られたりするのはいつもでしたね。3兄弟の中で僕だけに適用される“次男限定ルール”がいくつかあって、たとえば「家の電話をすぐに取るように」と言われてました。

 でもある日、リビングで電話が鳴って受話器を取ろうとしたら呼び出し音が切れてしまったんです。後ろでバンという音がして驚いて振り向いたら、母親が立っていた。「ごめんなさい」と言おうとした瞬間、横から蹴りが飛んできました。思わずうずくまったところへ、今度は正面からひざ蹴り。

 床に倒れて、呼吸ができずに喘いでいる僕に、「なんで当たり前のことができないの?」と。

 

――どうしてそんなことを?

キマノー いま考えても、気に入らなかった以外の理由は思いつきませんね。ほかにもお小遣いを使ってはいけないとか、2歳下の弟が失敗したらそれは僕の責任とかルールがあり、それを破ると容赦無く手や足が飛んできた。