かつて、“可愛すぎるオネエタレント”としてテレビに引っ張りだこだった、ゆしん。華やかな笑顔と軽快なトークで人気を博した一方、その裏では想像を超える苦悩と葛藤を抱えていた。テレビの第一線から少し距離を置いた今、これまでの壮絶な半生について、率直な言葉で語ってもらった。(全4回の3回目/最初から読む

ゆしんさん ©釜谷洋史/文藝春秋

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今でも、「私は一体何者なんだろう」と葛藤している

――ご自身の性やアイデンティティーについてもお聞かせください。ご自身の気持ちを受け入れるまでに、どのような葛藤がありましたか。

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ゆしんさん(以下、ゆしん) これは、とても長い時間がかかりました。最初は、男と女にはっきり分けられていること自体が苦痛で、それもあって地元を離れた部分もあります。いろいろな世界を見ていく中で、ようやく「自分は間違っていなかったんだ」と思えるようになりました。

 当時は「性同一性障害」という言葉が使われていましたが、自分には当てはまらない感覚がありました。今でも、「自分は一体何者なんだろう」と考えることはあります。

普段のゆしんさん 本人インスタグラムより

――その葛藤は今も続いているのですね。

ゆしん ありますね。今でも自分の身体を鏡で見るのが嫌になることもあります。

 例えば、いいなと思う男性がいても、「この身体だからな…」と考えて、躊躇してしまったり。もし自分に胸があったら、もっといろいろな洋服を楽しめるのかな、とか、友人に子どもができたという話を聞くと、すごく嬉しいけど「自分にはこの幸せはこないな」と思ってしまうこともあります。

 体を変えても、変えなかったとしても、この気持ちはずっと続いていくのかもしれません。