少女の頬と首と右腕に、大きな青痣が
朝6時前、2度目の電話が少女から入る。
「泣きじゃくっておりました。叩かれた、もう嫌だ、逃げたい、と言うから、ビックリしました。私らは、あの娘が小倉で父親と一緒に暮しているものと思ってましたから、父親が暴力を振るったのかと勘違いしておりました。あんまり切羽詰まった様子だったので、とにかくマンションに来なさいといいました」
そして、朝、マンションに飛び込んできた少女を見て、祖父母は「ただ事ではない」と思ったという。少女の頬と首と右腕に、大きな青痣があったのだ。事情を問い質すが、少女は俯いたまま、話したがらない。疲れ果てた様子だったので祖父母はそれ以上は聞かず、少女をとりあえず奥の部屋で休ませた。
犯人の中年男女がこの少女に加えていた暴行は、凄まじいものだった。保護された当時、少女の首筋にはひもの結び目の跡が残っていた。「足の爪をはげ、と強要され、スタンガンで虐待された」とも供述している。少女が監禁されていたマンションの住人も以下のように証言する。
「部屋(監禁場所)から、2年ほど前からドンドンという音や物が転がるような音がうるさく響いていました。管理会社に電話したら、『数件の苦情が来ていますから対処します』と答え、“騒音に気をつけて下さい”という注意書きが張り出されました。が、その後も時々、夜中に『やめてー』『やだー』と女性の叫び声が聞こえ、男性の怒鳴り声も聞こえてきました」
昨年、3度ほど、火災報知機が連続して鳴らされたことがあり、住民らが避難する騒動になった。これは助けを求めた少女が鳴らしたものかもしれない、と話す住民もいる。
祖父母宅に避難した翌朝、ベッドから起きてきた少女に「病院に行かなくていいのか?」と尋ねた。
「大丈夫だから・……」
「行った方がええ」
心配した祖父母は少女を病院へ連れて行こうとする。
「健康保険証は?」
「そんなもんない。病院に行かなくても大丈夫だから」
