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「本当においしい」冷凍食品の食べ方

──冷凍食品の味はどうですか? 最近はおいしい冷凍食品も増えましたけど、やはりまだおいしくない冷凍食品が多いですよね。

山本 それは、冷凍食品の保存・解凍方法が間違っているからです。ご自分で冷凍食品をわざとまずくして、「冷凍食品はおいしくない」と言っている方があまりにも多い。なんとかしたいと思っているんですが・・・・・・。

──冷凍食品って、まずくしようがないのでは? 味は変わらないでしょう?

山本 たとえば、ブロッコリーやホウレンソウなどの冷凍野菜だと、茹でて凍結してあることを知らない人が多い。生と同じように茹でて「冷凍野菜はベチャッとしてまずい」というクレームをよく聞きます。

──なるほど。一度茹でてあるので、もう一度ゼロから茹でるつもりでいると、茹ですぎになってしまうんですね。

山本 冷凍野菜のパッケージを見ると、「加熱してお召し上がりください」と書いてあるので茹でました、という人がいますが、冷凍食材はブランチングという下茹でを行ってから凍結しているので、生の食材と同じように火を通せば、まずくなるのは当然です。たとえばお味噌汁などに冷凍ホウレンソウを入れる時は、最後に加えてすぐに火を止めれば、色鮮やかでしゃきしゃきの歯ごたえが楽しめます。

冷凍食品を美味しく食べる「コールドチェーン」という考え方

──正しい解凍の仕方を知らないわけですね。ほかにも注意点はありますか。

山本 食品冷凍学の権威、鈴木徹先生(東京海洋大学教授)から、「冷凍食品はかけ算で考えるシステム」だと教わりました。これはつまり、良いものを作り(1)、流通段階でコールドチェーン(温度管理徹底)を切らさず(×1)、解凍・調理を適切にする(×1)ことで、良いものがそのまま食卓に再現できる、ということです。

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【「コールドチェーン」のかけ算】
生産(1) → 流通(×1) → 調理(×1) = 1

生産・・・・・・調達から工場加工まで
流通・・・・・・−18℃以下で保存しながら工場から販売店まで運ぶ
    店から消費者の自宅まで凍結状態を守り、−18℃以下(冷凍庫)で保存
調理・・・・・・解凍、調理(正しい解凍時間と調理方法)

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 仮に流通で温度上昇のミスがあってその部分が「ゼロ」になれば、そのあとどんなに注意しても「ゼロ」になりますし、家庭の調理段階で「ゼロ」にしてしまえば、メーカーがいくら努力しても、食べる段階では「ゼロ」になってしまうわけです。