女性にも決して無縁ではない糖尿病。放置するとさまざまな合併症を引き起こす。その原因は肥満や暴飲暴食――だけではない。太っていない女性でも要注意。異変を見逃さず、血糖値を上げない生活習慣を身につけよう。

●中高年で急増する理由、副作用の少ない画期的新薬
●注目すべき検査項目&歯磨きスクワットで改善しよう

連載第1回はこちら
前回はこちら

女性や肥満ではない人の発症も決して珍しくない

 高血糖状態が続くことにより全身の血管に障害が生じ、さまざまな合併症を招く糖尿病。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」では、糖尿病が強く疑われる人は国内に1100万人、成人のおよそ10人に1人が該当する。「肥満の人や中高年男性がかかる病気でしょう?」というイメージは必ずしも正しくない。

「かつては暴飲暴食などが影響する『贅沢病』と見なされていた糖尿病ですが、近年の研究では遺伝や体質も発症に影響することが明らかになっています。男女比は約2対1ですが、女性や肥満ではない人の発症も決して珍しくありません。加齢とともに増え、とくに女性は更年期〜閉経後に発症者が急増します。症状が現れたころには病気が進行しているので、毎年の健診で血糖値の異変を逃さず、早めに対処することが何よりも大切です」

 こう指摘するのは、朝日生命成人病研究所附属医院で糖尿病内科部長を務める大西由希子医師。糖尿病専門医として25年以上のキャリアを持ち、同医院の治験部長も兼務するため、新しい治療法にも精通する。

ADVERTISEMENT

糖尿病はどんな仕組みで起きるのか

 糖尿病は初期段階では無症状の場合がほとんど。

「進行すると、血糖値が上がることで利尿・脱水症状が起こり、トイレが近くなる『多尿』、のどが渇く『口渇』をはじめとして、だるさ、体重減少、手足のしびれ、目のかすみなどが起きます。さらに進行すると、網膜症、腎症、神経障害といった合併症による失明、透析や足切断、また脳梗塞、心筋梗塞を引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります」

 こうした合併症は、糖が血液中にあふれかえり、血管を傷つけることで起こる。