そもそも糖尿病はどんな仕組みで起きるのか。まずは発症メカニズムを簡単に整理しよう。
食べ物から摂取した糖は、ブドウ糖に分解された後、腸から吸収されて血液中に流れ込む。
「このとき、血糖値の上昇を察知した膵臓のβ細胞からインスリンが分泌されるのが通常の状態です。インスリンは血糖値を下げるホルモンで、この働きによって血液中の糖は筋肉や肝臓、脂肪細胞に取り込まれ、正常な血糖値を保てています。ただ、インスリンの分泌量や効きが十分でないと、糖が血液の中にあふれて血糖値が高くなってしまいます。高血糖の状態が慢性化すると糖尿病になるのです」
インスリンが十分に作用しないために発症する糖尿病だが、主に2種類ある。
「1型糖尿病と2型糖尿病です。1型は、膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されなくなることで発症します。子どもでも発症し、前触れのない免疫異常が原因なので予防は困難です。一方で、糖尿病と診断された人のうち9割以上の人は2型糖尿病です。インスリンの分泌量が低下したり、効きが悪くなったりして発症します。中高年で発症する割合が高く、食事や運動不足など生活習慣が影響すると言われています。ただ、近年では膵臓のインスリン分泌能力に遺伝・体質的な差があることも分かってきました」
中高年女性に発症が急増するのはなぜか。
「前提として、膵臓のインスリン分泌能力は加齢とともに衰えます。さらに女性の場合は、血糖値の上昇と内臓脂肪の蓄積を抑える働きをしていた女性ホルモンのエストロゲンが更年期以降に減少します。すると内臓脂肪が増え、結果インスリンの効きが悪くなるため、エストロゲンの作用が低下する更年期および閉経後の女性は糖尿病のリスクが高まるのです。体重が変わっておらず『昔と同じ服が着られているから私は大丈夫』と過信してはいけません。筋肉が減り内臓脂肪が増えたことによって、体の内側では高血糖になり始めているかもしれません」
糖尿病のリスクを把握するためには、健康診断がいちばんだ。注目するのは、血液検査と尿検査の結果だ。
《この続きでは、●中高年で急増する理由、副作用の少ない画期的新薬、●注目すべき検査項目&歯磨きスクワットで改善 などのトピックを大西医師の解説とともに詳しく紹介している。記事全文は現在配信中の「週刊文春 電子版」および4月30日(木)発売の「週刊文春」で読むことできる》

