ところが、卸問屋を通じて、輸入した教育玩具を百貨店や玩具店に置いてもらったのですが、当時の日本はキャラクター玩具全盛期。置いておけば放っておいても売れる商品を前に、私たちがいくらヨーロッパの現状や、品質の良さを説明しても、陳列されるのは、売場の隅の方でした。パッケージに並ぶ外国語も、とっつきにくかったのかもしれません。

1986年頃の展示会。左は、中西弘子さんの夫の将之さん(本人提供)

直営店という賭け

 問屋さんに「こんなの、売れないよ」と何度も言われ、実際にまったく売れませんでした。失敗することなど微塵も考えていませんでしたから、悔しさのあまり、百貨店の玩具売場で、自分でお金を出して、自分たちが輸入した「クアドロ」というドイツの大型組み立て遊具を買ったこともあります。それでも何とか続けましたが、4年ほど経った頃には在庫の山で、事業をやめる瀬戸際に追い込まれました。

 ただ、確信はありました。百貨店の店頭でも、実際に手にとった子どもたちは店内で1時間も2時間も遊び続けていたからです。遊んでもらえさえすれば受け入れられる、ならば、自分たちでお店をやるしかない――。賭けに近い決断でしたが、卸売は思い切ってやめ、1986年に心斎橋に直営店をオープンしました。

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※この続きでは、直営店オープン後の成功を中西弘子さんが語っています。全文は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年5月号に掲載されています(わが人生最大の失敗)

文藝春秋

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悔しくて、自分で商品を買った

出典元

文藝春秋

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